85ページですが、読み応えがあります。おすすめ度
★★★★☆
南北戦争で負傷した南軍の兵士Inmanは、病院を抜け出し、恋人Adaの元へとただWestを目指して歩き続けるのです。そこには、Cold Maountainがあります。一方、父を亡くしたAdaは、途方に暮れるものの、それまでのお嬢様生活を一変させ、Rubyに助けられながら父の残した農場を切り盛りしていくのです。彼女もまた、Inmanの帰りをひたすら待っているのです。
InmanとAdaの状況が交互に物語られます。二人の周りに出てくる人々も多彩で興味深いです。戦争の悲惨さが胸に迫ってきます。
易しい英語で書かれている85ページの物語ですが、読み応えがありました。読み終わった後、深い感動を覚えました。
映画よりも小説の方がずっと魅力的おすすめ度
★★★★★
南北戦争の南軍側(ノースカロライナ)を舞台に、戦争で狂気に走る人々、戦争から逃れようとする人々、戦争を期に成長する人々。。。をとてもよく描いている。戦争から逃れて故郷へ戻るインマンと、戦争の混乱の中で生きのびつつ自分を見つめるエイダを細かく描写し続けて、それがパラレルに進む展開がすばらしい。切なさと逞しさが入り混じったこの展開は、映画よりも小説の方がずっと魅力的。
映画よりも小説の方がずっと魅力的おすすめ度
★★★★★
南北戦争の南軍側(ノースカロライナ)を舞台に、戦争で狂気に走る人々、戦争から逃れようとする人々、戦争を期に成長する人々。。。をとてもよく描いている。戦争から逃れて故郷へ戻るインマンと、戦争の混乱の中で生きのびつつ自分を見つめるエイダを細かく描写し続けて、それがパラレルに進む展開がすばらしい。切なさと逞しさが入り混じったこの展開は、映画よりも小説の方がずっと魅力的。
概要
チャールズ・フレイジャーの処女作『Cold Mountain』(邦題『コールドマウンテン』)は、遥かなる道程の物語である。南北戦争が終わりに近づくころ、南軍の負傷兵インマンは病院のベッドから脱走し、遠い故郷、ノースカロライナの山を目指して長い旅を始める。旅の途中、ならず者や無法者、慈悲深い人、自警団の男たち、救いの手を差し伸べる人、逆に行く手を阻む人などさまざまな人々に出会うが、何があろうとインマンの志は変わらない。唯一の目的は、残してきた女性、エイダのいるコールド山に帰ること。 そんな彼が愛を寄せるエイダ自身もまた、問題を抱えている。彼女はチャールストンの上流社会で育てられるが、牧師である父親の療養のため、父親と共にコールド山の奥深くにやってきた。父親が亡くなった後もエイダはその地にとどまる。インマンを待つためでもあるが、都会ではなくノースカロライナのブルーリッジにこそ自分の居場所がある、という天命を感じたためでもある。
『Cold Mountain』では2つの旅が同時進行で描かれている。アメリカの雄大な自然を歩いて横断するインマンの苦難に満ちた旅と、自分自身を見つめるエイダの心の旅。この小説を傑作たらしめているのは、2人の旅の背景を深部に迫って細かく描き込んでいる点である。全体のストーリーは家族の物語の上に成り立っているが、インマンとエイダの人格描写を通して描かれる叙事詩を思わせるようなそれぞれの物語には、著者の心からの敬意が感じられる。決して派手ではない。しかし、驚嘆すべき作品である。