「自分達で戦争という雨を降らして、雨だ雨だと大騒ぎしているのが男どもよ」というレニーゼルウィガーの言葉にこの映画は集約されているのではあるまいか・・・勝手に興奮し勝手に戦い勝手に痛手を負いその面倒を女が見る。その女を地元に残った男が寝取ろうと躍起になる。心底男であることが情けなくなる映画だ。
戦争がもたらす悲劇おすすめ度
★★★★★
この作品は、それを描いている。
戦いに参加し、愛する故郷を後にする男達。ただひたすら無事を祈り、男達のいなくなった街で日々を過ごす人達。
故郷に帰り、愛する人に会いたいと思う気持ちだけが、生きる支えとなる男。生きていると信じ、ただひたすらその帰り、便りを待つ女。戦時中の男と女の気持ち・それぞれの成長が如実に描写されている。
劇中ルビーが言う『戦争という雨』は、現在も世界各地で降りそそいでいる。この作品の二人に訪れてしまう悲劇をけして繰り返してはならない。この映画も、そんな監督の意図が伝わってくる反戦映画なのだ。
ストーリーも素晴らしいが、セット・風景描写・音楽などどれも心に残るものとなっている。『風と共に去りぬ』と比較されているが、個人的には『コールドマウンテン』の方が、共感できるし、より優れていると思う。DVDの仕様も満足だし、手元においておきたい大切な作品である。
いまいち
おすすめ度 ★★★☆☆
ジュード・ロウが好きでこの映画を見ましたが、
途中で飽きてしまいました。
話の内容はいいと思うのですが…。
あまり期待しないで見る方がいいと思います。
概要
南北戦争末期の1864年。南軍兵士のインマンは、愛するエイダを置いて戦場に出る。重傷を負ったインマンは、脱走兵としてエイダの待つコールド・マウンテンへの果てしない旅に出ることを決意。一方、彼を待ち続けるエイダは、たくましさを身につけていく。ニコール・キッドマン、ジュード・ロウという美男美女が演じる、壮大なラブロマンス。
たった一度の口づけで、おたがいを運命の人だと確信する主人公のふたり。戦況が悪化するなか、もう一度だけ会いたいと願う強い気持ち。ロマンチックなテーマが全編に貫かれるなか、ふたりがさまざまな局面で出会う人物が、物語にスパイスを与えていく。とくに、エイダに生きる術を教える流れ者の女ルビー役のレニー・ゼルウィガーと、インマンをかくまう未亡人役のナタリー・ポートマンが強烈な印象。ルーマニアでのロケを含む雄大な映像美や、血なまぐさい戦闘シーンといった大作としてのスケール感や風格をキープしながら、ラブシーンは官能的にみせるなど、ツボを得た演出はアンソニー・ミンゲラ監督の手腕だ。(斉藤博昭)