僕の好きな人が、よく眠れますように (角川文庫)
不倫ものではありますが、旦那が遠方の地にいて登場しないし、まだ若い大学院生という事もあり、
このテーマでありがちなエロ描写も全くなく、時に不倫である事を忘れてしまう程、すがすがしさがありました。
なので、純粋なラブストーリーとして楽しめます。
200ページちょいの短編ですので、軽い気持ちで手にしてください。
ただ、結末だけが個人的に今一歩でした。
結局、2人はどんな未来を選択したのか。そこまで描いて欲しかったです。
さばドル DVD レギュラーBOX
どー見てもアイドルドラマであり、実際アイドルドラマだ。が、決してありきたりなアイドルドラマじゃあない。
ふつーアイドルドラマなんてェシロモノはそのアイドルのファン以外は楽しめないモノだが、コレはそーじゃない。そこがありきたりじゃない点。
38才のサエない女教師が21才もサバ読んでアイドルしてるっつー設定はムチャもいーとこだが、そのムチャを仮にも通してしまった力量はホンモノ。アイドルドラマは得てしてアテ書き(主演に合わせてシナリオが書かれること)なもんだが、コレは設定からしてそーしよーがない。このムチャぶりをまゆゆは非常に高い水準でこなしている。カンペキとは言わない。多少目をつぶらんとならん点もありはする。が、シラけて冷めるなんてコトはない。足りない面を補う熱量を彼女は発していて、それが画面のコチラ側にヒシヒシと伝わるからだ。
助演も皆さんも実に素晴らしい。
主人公の妹。二面性を持つヒロインのそれぞれの面に惹かれてゆく二人の若者。事務所のマネに社長。いずれも大熱演でドラマを盛り上げまくってくれてました。
やつがれは1962年モノのガチ昭和おさーんだけど、主人公が昭和世代なもんだから随所に昭和ノリが見られるのがウレシかった。その昔のダサくてくっさい学園コメディのノリを久々に堪能できますた。ココは胸を張って叫ぼーと思うが、クライマックスほろっときちまったゼ。見え見えバレバレの流れだったのに。
価格的にはファン以外の方にはすすめづらい商品とは思う。が、機会があればぜひ多くの皆さんの見て欲しい作品。なのでやはり五つ★とさせていただく。ホントーに楽しませてもらったドラマ。ありがとー。
ハミングライフ 通常版 [DVD]
演技・脚本・映像・音楽と、どれを取っても見るべきものがなにもない映画ではあるが、だからこそ主演・西山茉希の存在感が際立っている。
彼女が演じるのは、上京したての夢を追うだけでまだ何者にもなりきれない、等身大の若者の姿。
当然、ふだんファッション誌やCMで見せる華やかなメイク姿の彼女はそこにはおらず、素顔に近い自然体の姿で演技に当たっている。
だけど、飾らないことで、メイクも衣装も抑え目にすることで、それがますます彼女の美貌を際立たせており、そのポテンシャルの高さに驚かされた。
まさに未来への可能性を力強く示唆する、図らずもこの映画のストーリー、ヒロインのキャラクターを、過不足なく表現する逸材だといえるだろう。
むろん、演技に関してはお世辞にも巧いとは言えない。
だけどモデルという存在は、たとえなんの才能もなく人格も知性も優れていないとしても、ただそこにいるだけでどんな偉人よりも価値がある存在だということを、この映画はなによりも雄弁に教えてくれる。
彼女の存在感を邪魔しない程度に流れるBGMみたいなドーデモいい脚本も功を奏し、西山茉希のイメージ映像として、過不足ない仕上がりの一本だ。
星に願いを、月に祈りを
キャンプの夜。
「蛍を見に行こう」と夜中にこっそりと森の中に向かったものの…
ひとつのラジオで繋がる連作短編集。
どこから流れてくるのか、分からない謎のラジオ。
正体が分かった瞬間に、曖昧だった話が一気に繋がります。
ディズニー魔法のような、あったかくなって幸せになれるお話。
100回泣くこと (小学館文庫)
ただ悲しいとか泣けるとか感動するとか、物語の主人公になったつもりで自分に置き換える話じゃなくて、なんていうか、こういう人生を送っている人もいる、人生ってこういうものなのかもなぁと感じられる話だと思いました。生きていれば「死」というものに直面するのは誰だって同じだし、大切な何かを失うことだってある。だけど、辛くても大変でも生きていかなければいけないわけで・・・。切ない話であることは変わりないけれど、前向きで自分にとっての大切なものを気づかせてくれる、とても素敵な作品だと思います。