今の日本で起きていることおすすめ度
★★★★☆
若い証券マンのバド・フォックスが、熾烈なマネーゲームを通して3人の父親から全く異なるお金の哲学を学ぶ。一人は航空機整備士で労働組合を率いる実の父、二人目は財界のドンで投機家のゴードン・ゲッコー、三人目は同じ証券会社でファンダメンタルズ重視のルー。
それぞれの哲学はある意味正しく、ある意味間違っている。映画全体を通して、それぞれの立場で多くの名言が見られる。
この映画がおもしろいのは、20年以上前にアメリカで起きていたことが、まさに今の日本で起きているところだと思う。
ホリエモンと村上世彰のバイブルおすすめ度
★★★★☆
この映画の構図をどっかで見た事があると思ったら、この1〜2年の現在の日本の証券市場に酷似している事に驚きます。この映画の舞台は1980年代のアメリカ証券市場ですが、歴史は繰り返すんだなあ、とつくづく思います。強欲にまみれ、ダーティーな手段で証券市場を操ろうとするゴードン・ゲッコーの姿は、そのまま堀江貴文や、村上世彰みたいな人達の姿ですし、彼らの様な、敵対的買収を行おうとする株主に右往左往させられる人々の悲喜劇を、私達は、毎日の新聞紙上で見てきました。 あんな事をやっちゃったら後ろに手が回る事になるのは、プロなんだから重々承知しているはずなんだろうけど、やっぱ「わかっちゃいるけど止められない。」んでしょうかね。
(師匠) (弟子)
ゴードン・ゲッコー バド・フォックス
村上世彰 堀江貴文
みたいな構図で見たら、この映画は一粒で二度おいしいと思います。
師匠は弟子を善の道に導かなけりゃならないのに、今回は二人ともダークサイドに堕ちちゃいましたね。御愁傷様です。
成金物語おすすめ度
★★★★☆
お金の飛び交う非常に華々しい映画だけど、果たして彼らが何をしてるのだろうというとスパイを遣ったりしてとにかく株価が動く直前に仕掛けるという、非常に泥臭い作業なのでした。心に残ってる場面はいくつかあるのですが、まず1つは「これは商談ではなく、カレッジ仲間の雑談に過ぎないだろ?誰も傷つかないんだ。」という同級生に頼み込む時のやり取りです。確かに、一体誰が傷付くのか分からない。また、ゲッコーの台詞「金は手から手へと魔法のように動くんだ。大衆は口をあけて観ているだけ」金は遣うと無くなる訳ではなくて、要するに将来価値が上がるものに金を使えば、当然資産価値は増える。ただそれだけだと言う事なんでしょうか。1つの絵画の価値が上昇した事を指して、「魔法が現実に変わった」みたいな事を言ってます。前半のこういった価値観の提示というのは、監督曰く「実際のプレイヤーとの話し合いで得た彼らの価値観」のリアルさを前面に出す事が目的だそうで。根底を成すストーリーよりも、こういった細部がなかなか面白いです。
マネー戦争おすすめ度
★★★☆☆
ウォール街に渦巻く野望と理性そしてマネー。マイケル・ダグラスがとてもよかったです。彼の少し影のある部分が役にぴったりとあてはまっていたような気がしました。
80年代のアメリカ証券界を描いた大作
おすすめ度 ★★★★★
若き証券セールスマン、バド・フォックス(チャーリー・シーン)は、貧乏人から巨万の富を築いた成功者ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)をいつか追い抜こうという野望に燃えていた。ゲッコーと5分間の面会時間をとるのに数カ月もかかった。バドはブルースター航空に技師として働く労働者階級の父(マーティン・シーン)から会社の経営状況に関する情報を入手し、それをゲッコーに流した。彼はバドをすっかり気に入り、バドの証券会社を通して取り引きするようになった。バドはゲッコーのやり口を徹底的に研究し、実績をあげていき期待に応えた。バドが流したインサイダー情報を利用した取引は違法行為だが、莫大な報酬を手に入れたバドは成功の甘い香りに酔っていた・・・。
「プラトーン」のオリヴァー・ストーン監督が、ニューヨーク・ウォール街を舞台に一獲千金を狙う男たちの世界を描いた作品。
M&Aをはじめとした証券ビジネス、やっちゃいけないインサイダー取引等の証券取引法違反等、好景気に沸いた80年代のアメリカ産業界の表の部分と裏の部分が実によく表現されています。LBO、ホワイトナイト、ゴールデン・パラシュート、パックマン・ディフェンス等、最近日本でも話題の企業買収防衛策も実例として登場します。そして、大物投資家を演じたマイケル・ダグラスと若き証券マンを演じたチャーリー・シーンが共に好演し、映画を盛り上げています(マイケル・ダグラスは、同年主演した「危険な情事」ではとれませんでしたが、この作品でオスカー受賞)。
「摩天楼はバラ色に」同様、大好きな作品の一つです。
概要
出世欲に燃える若き証券マンのバド(チャーリー・シーン)は、カリスマ的魅力をもつ富豪のゲッコー(マイケル・ダグラス)に取り入ることで、みるみるうちに実績をあげていく。しかし、ゲッコーの悪どく汚い稼ぎ方にやがて疑問を抱き始め、やがて反旗をひるがえす。
オリヴァー・ストーン監督が、世界経済の中心であるウォール街におけるマネー戦争の実態を赤裸々に描いた社会派エンタテインメント。非常に大衆的な作りになっているので、株に疎い人でも容易に楽しめる。
ゲッコー役のM・ダグラスは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞。また、C・シーンの実父マーティン・シーンがバドの潔癖な父親に扮し、怒とうのごとき存在感を示してくれている。(的田也寸志)