日本の昨今のニュースの原点ともなる証券マン自身のインサイダー。NHK職員や役人という日本の現実のようなヒネリは無いが、その分ストレート。悲惨とおもうのは、特に女性関係か。
株や金融の知識がなくても楽しめました。おすすめ度
★★★★☆
公開当時日本はバブル景気の真っ只中。監督も来日した時に「株や金融の知識が無くても楽しめるように作った。」と言ってました。株取引開始の時間は正にプラトーンの戦闘シーンをマネーウォーに置き変えたようなスピーディーさ。秒単位で売買をしていく様を手持ちカメラでリアルに取り上げてます。話の展開も分かりやすかったです。また業績を上げる部下だけしか評価しない上司がインサイダー取引でバドが逮捕された途端手の平を返した様な態度に人間の薄っぺらさにも焦点を当ててます。やがてゲッコー(マイケル・ダクラス)に出会い、インサイダー取引に巻き込まれてしまうバド(チャーリー・シーン)。マーチン・シーンも真面目一徹の父親役で出ていて好演。マイケル・ダグラスは株取引の大物役を快演してます。ラストは裁判に出廷する息子を父親が優しく送り出すところで終わります。エンディングは「Fly me to the moon」です。ただ後半はちょっと道徳の教科書ぽくなるような気もしました。
後に「アクターズ・スタジオ」でM・ダグラスがウォール街で働く人から「あんたこそ本物のMr.ウォール街だよ。」となれなれしく言われたと苦笑していました。
今もなお続くマネーウォーズをわかりやすく教えてくれる傑作!
おすすめ度 ★★★★★
俳優としてはあまり評価されていなかったマイケル・ダグラスが、一躍名優の仲間入りを果たした問題作。インサイダー取引で逮捕された実在の大物トレーダーをモデルとしており、モラルの抜け落ちた証券マン達の攻防をつぶさに描いて秀逸である。
オリバー・ストーンがヴェトナムの後に選んだ題材は、やはりアメリカ資本主義のの犯罪的側面であり、今日のグローバリズムの原点に光を当てている。当時珍しかったマルチアングルや、スピード感あふれる小気味よいショットの連続で、シリアスな内容なのに2時間10分を飽きさせない。
できればデジタルマスタリングでDTS、特典映像をふんだんに味わいたかったが、この値段ではやむを得ないか。とにかく、現在のファンドや大きくなり続ける証券会社の問題点を理解するのに役立つ。名言も多く、見て得する映画である。