歌舞伎下座音楽集成 1・2
歌舞伎を見ていて下座音楽が気になって購入しました。お芝居に出てくる聞き覚えのある曲がいくつもあって楽しめました。
が、かけっぱなしにして楽しもうと思っていたら1つ1つ曲名を読み上げるのでちょっと興ざめ。こういうものは「楽しむ」ためではなく、お稽古をなさる方への「勉強用」なのでしょうね。
裏閻魔
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史実を縦軸としながら、横軸にフィクションを交えて話が展開される様は、晩年の手塚治虫の漫画を読んでいるような感覚に襲われた。(時代背景が、手塚晩年の代表作「アドルフに告ぐ」や「陽だまりの樹」と微妙にシンクロしているので、余計にそう感じられたのかも)
フィクションとして展開される話は、手塚治虫よりも梶原一騎の描く世界に近しい印象。
単純ではない、無骨で異形ではあるけれども、純真な情愛の形が、様々な出来事の中で、儚げに揺れている。
物語は大日本帝国の敗戦と共に終わりを告げる。
少し心に影が落ちる感じで、爽やかな読後とはいえないが、不老不死の主人公とは異なり、ヒロインは天寿を全うして逝くのであるから、二人の情愛の物語としては、ここで幕を引くしかなかろうという感じ。
さりながら、不老不死として生きる定めを受けた主人公・閻魔が、敗戦後の高度経済成長という時代の波の中で、何を支えに、何を求めて生き続けているのか、その後の生き様も覗いてみたいと思った。