東京の空
CDのジャケット、歌詞カードのもあるようにおそらく宮本自身がこのアルバムの無限の可能性を信じきっていたのだろうし、惚れ込んでいたのだと思う。もちろん俺もそうだ。
デーデというビッグバンで生まれ出でたエレカシは暗い暗黒の世界で大きくなり続けた。もちろんこの時期のアルバムも天才的だと俺は思っている。「生活」「浮世の夢」なんかはもう涙が溢れてくるほどだ。
そしてこの「東京の空」。
奴隷天国で猛ダッシュの助走をとったエレカシは、東京の空高く舞い上がった。
セールスがぱっとしなかろうが、万人に受け入れられなかろうが、これは日本ロック史上、不滅の名盤である。
俺は聞いた。そしてはまった。
あなたはどうですか?
甘い生活 40 (ヤングジャンプコミックス)
Life468 呪いのコルセット再来!?
469 大変身
470 呪いのコルセット発動!?
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473 下着泥棒のポロポーズ
474 自首の条件
475 我慢の限界
476 指輪の意味
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478 カメラマン菊池再び・・・
479 箱入り官能小説家
480 弓香の妄想
この40巻をもって第一シリーズ無事終了!?
えこひいきされる技術 (講談社プラスアルファ新書)
「天皇陛下を除いて会えない人はこの世にはいない」と説く、元週刊プレイボーイの名編集長、島地勝彦さんの人から好かれる方法が満載の一冊。
塩野七生さんとローマで初めて会うときは、いままで発行された全巻を持参し、紫色のサインペンを用意する。たしかに「えこひいき」されるための様々な方法論は書かれていますが、なんといってもその情熱と好奇心がすごいと感じました!
島地さんが人生の師と仰ぐ柴田錬三郎氏や開高健氏、今東光氏から学んだ人生論、身だしなみ、甘える作法、さらには「連載が終わってからの方が著者との付き合いは濃くなった」など、編集者という仕事をしていなくても、非常に考えさせられる言葉に溢れています。
「えこひいき」という表現はどこか嫌な響きがありますが、本書では明るくプラスイメージで書かれているため読んでいて楽しくなります。
フェリーニ 大いなる嘘つき [DVD]
イタリアを代表する映画監督フェデリコ・フェリーニ('20〜'93)。死の前年に行われたインタビューを通じ、創作の裏側を解き明かすドキュメンタリーです。
初期のネオリアリスモ的な作品を省き、主に「甘い生活」('59)以降の作品が取り上げられますが、特に監督自身を描いたとされる「81/2」('63)が中心に据えられるのは必然と言えるでしょう。
彼の所縁の地がまるで映画の一シーンのように撮影されていたり、実際のロケ地が新たにカラーで撮影し直され、引用される映画のシーンに再構成されたりしているのが、製作者のフェリーニに対するオマージュを感じさせます。ニーノ・ロータの音楽と、フェリーニ自身の哲学的とも言える独白によって、この作品自体、フェリーニ作品に通じる雰囲気を持った一本の映画のような仕上りです。
時折差し挟まれるメイキング映像とともに、「悪魔の首飾り」('68)のテレンス・スタンプ、「カサノバ」('76)のドナルド・サザーランド、「ボイス・オブ・ザ・ムーン」('90遺作)のロベルト・ベニーニなど豪華な出演者が、撮影時のエピソードを振り返るのも興味深いです。彼らの証言とフェリーニ自身が真剣に語ることとはどうやら食い違いがありますが、映画に活き活きとした生命を吹き込む魔術師たる映画作家は、見ている世界や次元が違うのかもしれません。
故郷リミニについても、地図上にある実際の風景より、自ら「青春群像」('53)や「アマルコルド」('73)に描いたシーンこそ現実に相応しい、というように語っているのが印象的です。フェリーニの中では、彼の記憶の中にあるイメージこそが語られるべき真実なのかもしれませんね。チネチッタ(ローマの撮影所)に広げられたビニール布と光の反射が、本物の海に見えてくるのもそのせいでしょう。
そんなフェリーニの天才ぶりの一端を垣間見ることのできる映画です。