デッドライジング ゾンビのいけにえ
決して前評判は高くなかったし、Xbox版からの劣化移植、との声も多いみたいですが。
いや、悪くないです、というかむしろ面白いです。
当方、Xbox版は未プレイ、ジョージ・A ロメロ監督の名作“ゾンビ”の熱狂的なファンなのですが、あのショッピングモールに立てこもって、ゾンビ相手に格闘する空気は十分に味わえるかと。
おそらくXbox版に比べるとグラフィックや残酷描写、自由度は低下しているんでしょうけど、Wiiしか持ってないユーザーさんなら普通に楽しめると思いますよ。
ちなみに私はリメイクバイオ1は怖すぎ&難しすぎて途中で投げるほどのヌルゲーマーなのですが、このくらい大味でヌルい難易度の方が、最後まで投げ出さずに遊べます。
ただ、プードルゾンビとインコゾンビは要らないかなぁ…。
悪魔のいけにえ スペシャル・エディション コンプリートBOX(3枚組) [DVD]
本当に今さら何も語る必要のないほどの名作ホラーですね。
ホラー映画史を語る上で絶対に欠かすことのできない作品。
ついにDVDが再販、しかもNEWバージョン!本当に嬉しいです!!
今さら知ったかぶって語るのは気が引けますが、これは究極の恐怖映画です。
この作品を構成するパーツを一つ一つ見ても恐ろしい。
キャラクター、カメラワーク、効果音、セット、演技、演出・・・全てが最上級の恐怖を生み出し、それらが合わさって生まれる雰囲気が観客を飲み込みます。
神経を逆撫でするストロボ&チェーンソーの音。恐怖に怯える眼球のアップ。生物の骨や羽根が散乱した部屋。重そうな金属の扉。狂った一家。
こんなホラー映画、そうそうお目にかかれません。
今回のバージョンはリマスターされていて、今まで見たどの仕様よりも鮮明です。
レザーフェイスの顔もじっくり見ることができます。
ただしもともとの画質がザラついていたためか、やや目が粗い感じがします。
荒いといっても鑑賞に堪えない訳ではなく、この荒さがリアリティを醸し出すのに大いに貢献している事を、改めてこのリマスター版で思い知りました。
照明が物足りないようなシーンもありますが、これまた薄暗さが不気味で、負ではなくプラス方向に働いています。
たった8万ドルで制作された作品ですが、そんな資金難を逆手に取った演出が意図したものだとしたら、やはりトビー・フーパーは偉大です。
購入する前は、特典ディスクなんて要らないから3980円くらいにして欲しいと思っていましたが、特典ディスクも充実した内容で納得です。
俳優たちが撮影時の思い出話やこの映画以降の人生について語るのは興味深かったです。
また舞台となった家が現在は改装されてレストランとして残っているというのも驚きました。
トム・サビーニやトム・サリバンといった特殊メイクアーチスト、続編でストレッチを演じた女優さん等もインタビューに答えています。
ちょっと残念だったのが、トビー・フーパーが出てこないこと。
監督自身が「悪魔のいけにえ」を語る姿も見たかった。
現在はリメイク版「テキサスチェーンソー」の方がすっかり一般的になっちゃいました。
リメイク版だけ見て、「悪魔のいけにえってこんな感じなのね」なんて思ってる方、とんでもないです。
このオリジナル版を是非見てみてください。
「悪魔のいけにえ」に直接的なグロ描写はありませんが、精神的に受けるダメージの大きさはリメイク版の比じゃありません。
傷口を見せないからこそ、視覚ではなく神経に直接痛みが伝わってくるような感覚になります。
ここまで生理的にイヤ〜な気持ちになれるのは、後にも先にも「悪魔のいけにえ」だけではないでしょうか。
ホラー映画ファンを自称するなら絶対にこれは見ておきましょう!・・・というか、買っておきましょう!!
悪魔のいけにえ スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
今回の再発で初めて見ましたが、いや〜とんでもなく面白かった!
これ程まで異常なテンションに支配された作品は、滅多に
ないと思います。
レザーフェイスをはじめとするキ○ガイ一家は超人的な存在
ではなく、標的となる若者達と同じ人間として描かれています。
だからこそ現実的で怖い。精神的にくるものが半端なく大きい。
あんなのに夜の森で追いかけられたら・・・と思うと心底
ゾッとしますね(レザーフェイスがまた、やたら足速いし)
人間として等身大に描くことで笑えるシーンもあります。
しかし同時に本当に嫌に感じるシーンも。仲間もどこか
歪んでいて、自己中心的で偏執的なフランクリンは狂気すら感じます。
どこまで本気でどこまで冗談かはわからないけれど、
トビー・フーパーは他のホラー映画の監督とは大いに着眼点が違い、
極限状態での行為ではなく精神性に迫っている気がします。
怖くて笑えて切ない部分もあり・・・ホラーを通じて「人」を
味わえる作品でもあるでしょう。
最後にもう一つ、主演のマリリン・バーンズも最高でした。
彼女の魂の底から出してるって感じの絶叫、あれが作品の
リアリティを更に高めています。
汗まみれ泥まみれになりながらもがき、足掻く。
やはりホラー映画の女優はとても美しく映ります。
少なくとも今まで見たホラー映画の中ではダントツの1位でした。
買ったその日に2回見た映画は久しぶりです。