まほろ駅前多田便利軒 プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]
「まほろ駅前多田便利軒」は、直木賞受賞作家の三浦しをんの原作小説を
『ゲルマニウムの夜』の大森立嗣監督が映画化したものです。
瑛太と松田龍平が主人公の便利屋を演じます。
コロンビア人の娼婦ルル(片岡礼子)や、ヤクザの麻薬の運び屋をする小学生の由良(横山幸汰)など、
二人は便利屋稼業を通して奇妙な客たちのトラブルにかかわってしまう。
「便利屋」は、地味でパッとしない路地裏の新しい職業ですが、近頃、街中でも「便利屋」の看板をよく見掛ます。
そこに困った人がいて、内々にトラブルを解決したい人がいて、お金で人に手助けを求める人がいる限り、
便利屋は「無縁社会」といわれる現代社会では、役に立つ仕事であり続けます。
客たちとの奇妙な出会いと便利屋が関る難題なエピソードが、この映画の演出の味で良かったですね。
ケンタとジュンとカヨちゃんの国 [DVD]
これまたこころが痛い映画でした。
人生を選ぶ事が出来ず、過酷な境遇の中でじっと耐える事しか
生きる術を持たなかった若者達が、あるはずのない向こう側を目指して
旅をする物語です。
俳優陣の気負いのない演技が瑞々しかったです。
主演の3人、甲乙付け難いですが、やはり安藤サクラが良かったですね。
他の2人より芝居が2歩3歩先を行ってる感じがしました。
登場人物の背景を含めあまり説明がないので、見る側の人生経験が
もろにはね返ってくる映画でもあります。
彼らのように辛く苦しい人生を経験しなかった人には、
さほど訴えかけるものもないでしょう。
間違った選択ばかりする、おろかな人間達だと。
原作ものでもないのに、いろいろと含みを持たせた伏線が登場し、
これといって説明のないまま物語は進んでいきます。
個人的に心に残ったのは、彼らの友人のヨースケの母親とのシーン。
洞口依子扮する母親が、一言も言葉を発せず口をぎゅっと結んで
こちらを振り返るところが印象的で、監督からなんて演技指導を
受けたのか気になります。
親に目を潰されたと言っていたヨースケ。彼らの家族にはどんな
出来事があったのでしょうか。
その母親に向かって、「あんたより俺の方がヨースケのこと好きだよ」
ってケンタが言う。
ジュンがケンタのことをずっと慕っていた理由も、なんかわかる
気がしました。
彼ら3人の国は、あまりハッピーではなかった。
でも、何か信じれる、救いになるものはあった気がします。
ゲルマニウムの夜 デラックス版 [DVD]
原作は未読の為、新井浩文演じる主人公『朧』の背景(殺人を犯して修道院に戻ってきた)に入り込むのに少し時間が要ったが、たいした問題ではなかった。もう、そこにいるだけで何をするのか(したのか)わからない危険さを放つ、朧の存在感がスゴい。およそ修道院とはかけ離れた非道といえる言動に不快感を持ったり、『狂ってるだけ』と思う方もいるかもしれないが、朧は決して狂人ではなく、それ故その存在がひどく生々しい。演じる新井の迫力は圧倒的。本人も『その人にしかできない役柄があって、朧はウチ(自分)だった』と話す特典映像の内容も充実してるのでレンタルするなら時間のある時観たほうがいい。