The Berliner Philharmoniker in Tokyo - Concert at the Suntory Hall: Violin Concerto / Symphony No 8 [DVD] [Import]
このベルリンフィルの公演に実際に行ってきました。
このDVDに収められているサントリーホールではなく、横浜みなとみらいホールの公演でしたが。
何といってもオケが一流。さらにソリストが若手注目株のヒラリー・ハーンさん。
実際のチケットはS席で32,000円もしました。
これがDVDで比較的安く聴けるのは大変お得です。
ウェーバーの序曲のHrnの最初のロングトーン、この透明感のある音にはゾクゾクしました。
またショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第一番。ヒラリー・ハーンさんの的確な
音楽解釈にはただただ驚くばかり。無機質ともいえる部分はあくまでも無機質に。
超絶技巧もあちこちに披露され、見応え、聴き応え満点です。
華奢でとっても可愛いヒラリーさんですが、大変落ち着きがあり、堂々とした演奏です。
演奏が終わった後の笑顔は、20歳の普通の女性の一面も見られます。
有名なドヴォルザークの第八番も緻密な演奏で、非常に丁寧かつダイナミックです。
実際に聴きに行った頃を思い出すほど、生き生きとした映像です。
音はさすがに会場の音には及びませんが、それでも満足のいくものです。
20世紀最後の日本での名演と言っても良いのではないでしょうか。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 他
ヒラリー・ハーン、彼女の実演に接して興味をもち、この盤を購入しました。ブラームスのコンチェルトは、けれんみのないオーソドックスな表現と澄み切った美音で切々と心の琴線に訴えかける、まるでオイストラフ&セルのあの名盤を彷彿とさせる本当にすばらしい演奏でした。
ポートレート [DVD]
常に刺激的で新録音が出る度に話題になる人気ヴァイオリン奏者ヒラリ・ハーン。
なかなか現在活躍中のクラシック音楽家の優れたドキュメンタリー作品は少なく(日本ではテレビ番組も少ないですね)後はソプラノのルネ・フレミングのドキュメンタリーDVDが思い浮かぶくらい。
彼女の普段着の会話や音楽に対する考えに触れられるという楽しさもさることながら、やはりこのDVDの白眉は
コルンゴルドのヴァイオリン協奏曲(ケント・ナガノ指揮 ベルリンドイツ響)の全曲ライヴでしょう!!
初演者ハイフェッツばりの鮮やかなテクニックと透明感のある音色でしなやかで官能的な演奏はとてもスリリング。
必見です!
ヒラリー・ハーン デビュー! バッハ:シャコンヌ
この音源をステレオで鳴らすと、自分の再生機器が数段よくなったように感じる。
それほど飛び抜けた音質で、美音を奏でるヒラリー女史。
山間の谷間で湧き出た清水に触れているような純粋な音の連続。それをバッハ音楽の演奏で実感する。
通常、大バッハに付きまとう、厳格、プロテスタント信仰、音楽の父云々といった形容とはまったく無縁のみずみずしさ。
これまで、なんとかバッハの音楽に親しめたらと思い、グレン・グールド、ヨーヨー・マ、ロストロポービッチ、
パールマン、クレーメル、アルゲリッチ+ミーシャ・マイスキーなどの演奏を聴いてみたが、
自分との距離感は広がったままだった。無伴奏も、ブランデンブルグもトッカータとフーガも、だめだった。
唯一、ブーニンが弾くバッハが聴くことのできるバッハで、近年これにヒラリー・ハーンと、
アンナー・ビルスマーのチェロ、ヴィクトリア・ムローヴァの無伴奏、マリア・ティーポの諸演奏などが加わり、
ゴルトベルク変奏曲もやっと身近になった。バッハの音楽は、自分にとっては、
時間をかけてゆっくりと近づいていくものらしい。