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神々の山嶺〈上〉 (集英社文庫)

夢枕 獏
おすすめ度:★★★★★
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私にとっての夢枕獏の最高傑作
おすすめ度 ★★★★★

新田次郎の山岳小説は名作揃いで、確かに面白いです。
井上靖の「氷壁」もいいです。
ですが、純粋な感動を解り易く与えてくれる小説という意味では、本作の方が
上をいっています。

根拠は単純明快です。
私自身不覚にも、下巻でわんわん泣いてしまったからです。

今まで数え切れんほど本を読んできましたが、しゃっくりしながら声だして
泣いてしまった本は、本作以外にはありません。

声を出さないまでも、じんわりと泣けた本は少なからずありましたけど、ここまで
泣けた本はありませんでした。

本上巻をじっくりと大切に読みすすめれば、下巻の後半100ページでは大抵の
人が泣くことができると思います。
そして読了後しばらく、羽生丈二の名前と羽生丈二のイメージが頭から消えなく
なる筈です。



羽生丈二は何を見つめていたのでしょうか?
おすすめ度 ★★★★★

山の小説は心の苦悩を描く。
いつもそう思いながら読んでいます。
その中でもこの本の主人公羽生丈二の苦悩はすさまじいものがあります。
彼は世の中の誰のことも信じていません。
あてにもしていません。
たぶん何よりも自分のことを信頼していないのだと思います。
彼が誰かを信じることを自分に許すためには、自分の中に確固たる自信を持つ必要があり、
それを持つためにはまだ誰も達成できたことがない、
最高峰のサガルマータに無酸素単独登頂をする必要があったのだと思います。
物語には、マロリーのカメラの謎、それを巡る人々のエピソードが織り込まれていますが、
全編を通じて押し寄せてくるのは、羽生丈二の痛いまでの自分を追い詰める姿です。
そして、まるで自分自身が羽生丈二と共にサガルマータの
人を寄せ付けない自然にそれでも立ち向かっているような緊迫感です。
本書を書き始めるまでに、実際にこの6度もヒマラヤを踏んだという作者が描く
山の描写の迫力はすごく、実際に登山を経験したことがないのに、
まるで羽生とともに厳冬の人を寄せ付けないエベレストに登り、
マイナス40度の寒さの中で氷壁にしがみつく場面では指が凍えてくるのを感じ、
高山病で幻聴を聞いたような気がしました。

実際に登山をされる方にもかなり読み応えがあると思います。
また登山とは縁がないという方でも実際に登山をしたかのような手ごたえと持てる、
そんなお勧めの一冊です。



目を閉じれば、サガルマータだ、ローツェだ。
おすすめ度 ★★★★★

1999年のゴールデンウイークに単行本版を読んでいたら、サガルマータ北壁の標高8160m地点でマロリーの遺体が発見というニュースが入りました。深く刻まれた読後感を保つために再読せず、それでも、いつも本棚の前面に置いてきた大切な本です。表紙の写真のみ時々ちらちら見ていました。

でも、今日、文庫版も買ってしまったのです。

それは、本屋でたまらずに手に取った文庫版の作者あとがき(文庫版用)を読んでしまったから。

作者はマロリーの遺体が実際に出てきてしまったことから、ラストシーンを書き換えました(当然、本筋には変更はありません)。単行本と文庫を見比べながら読み進めました。どちらがよいか、なかなか意見が分かれるかもしれません。ただ、30年以上前から構想を練ってきた作者が行ったバージョンアップですから、私も大切に読みました。2度目の読後感も1度目と変わりませんでした。マロリーの遺体発見前に書かれた小説でありながら、まるで発見後に書かれたかのような描写があります。ポイントは標高8100m地点です。

初回と同様に、何度も表紙(特にローツェとともにサガルマータが朝日に染まる上巻がいい)の写真をながめながら読み進めました。行ったことはないけれど、目を閉じると神々しい山々の中にいるような感じがするのです。私には新田次郎の「孤高の人」と並んで、最高峰に位置する山岳小説です。




息を止めてしまうほどの・・・
おすすめ度 ★★★★★

「何故、山に登るのか」
それは問いが答えであるという真の問いなのか。
この小説で活写される登攀、それも無酸素で世界最高峰に挑むと言う苦しみをすら越えたものを伴う行為とは何なんだろう。
こういう長い小説でしか答えられないものであるのは確かだと思う。
そして、山で失ったモノ得たモノなんて損得感情をまったく受け入れることのない厳しさ、純粋さ。生へのおそれと執着。
どうしても惹かれて止まない。

そして、「惚れる」って言葉が好き。特に男同士だといい。
もちろん愛でも友情でもいいけど、それ以上の何とも説明のしがたいニュアンスが出てくる。
恋人との恋愛すら霞ませ、友情も血も越えて。
裏返しの憎悪すら絆になってしまうような、そんな感情。
そんな豊かな感情を持ちながらも何もかもを捧げつくし、友人知人を失って。
それでもなお山に登る。
彼らが途上で生を終えるのは無駄死になのだろうか・・・・

山に愛された男と嫌われた男、過去と現在、陰陽のように絡められたエピソードが緻密に物語を盛り上げていき、
手記を交えた登攀の臨場感あふれる描写が息を詰まらせる。
とにかく、後半の緊迫と勢いに圧倒され、ラスト円環が閉じたような美しい物語の締めにほぅっと息をつく、そんな小説です。
出来うる限りの駆け引きをし、最後まで前を向いて真摯に戦う男の生涯を感じる幸せ。
これぞ読書の醍醐味。



一昨年のベスト1!
おすすめ度 ★★★★★

夢枕漠は映画「陰陽師」の原作者として名前だけは知っていました。「な〜んか漫画っぽい話、怪奇小説を書いてる人なのかな…?きっと私はこの人の小説は一生読むことないだろうな…。」って正直思ってました。そしてスポーツ大嫌い、山なんか一度も登ったことがなく、周りにも山登りをする人など一人も居らず、「何故山に登るのか?そこに山があるからだ。」などと言う「男臭い」ナルシシズムに冷たい目を向けていたタイプの人間でした。
ところがところが、某通販化粧品会社のパンフの「私の一冊」とかいう社員のおすすめ本コーナーで、一人の男性の方がおすすめされていて、たまたま図書館にあったので読んでみました。
ごめんなさい!「山に登る」ということは、かくも厳しいことなのか、かくも激しいものなのか、かくも生命の危険と隣り合わせのものなのか、私は何一つ知りませんでした! 山のことなんか、な〜んにも知らなくっても、この本を読むと「何故人は山に登るのか?」という質問がいかに愚問かということがよ〜く分かります。この本を読んで以来、時々里山歩きを楽しむようになりました(笑)。
ちなみにこれ以外の夢枕漠は読んだことありません。皆さん「これだけは」是非、読んでみて下さい!


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