ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
下巻では,キーストーンの暗号を解き,ルーブル美術館の館長が残したメッセージの内容がいよいよ明らかになります.そして,あまり登場人物が多くないにもかかわらず混沌としていた人間関係がすっきりとしてきます.
ストーリーとしては,それほど凝ったミステリーではないと思いますが,ダヴィンチの作品の解説やキリスト教の聖杯伝説の話をうまく織り交ぜて展開しているところが魅力です.各巻の巻頭にダヴィンチの作品やストーリーに関係する教会の写真が掲載されていますので,それらを眺めながら読むと楽しめます.最後はホッとする結末で,これまでのハラハラドキドキの展開をスッと落ち着かせてくれます.さて,映画はどのような作りになるのでしょうか.
名曲喫茶のクラシック~懐かしのクラシック小品集
このアルバムの企画としては、昔「名曲喫茶」で流されていた小品のクラシック音楽を家庭でどうぞ、という趣旨のようである。企画はどうあれ、よくあるオムニバスアルバムで、曲テーマもバラバラ、演奏家も玉石混淆である。曲によれば何もこのアルバムでなくとも、別の優れた演奏家から聴けば良さそうなものであるが、ここでの良いところは、何と言っても他のアルバムでは見つけにくい珍しい曲目を収録していることであろう。また、聴き覚えある曲ながら題名のわからない曲の題名を特定できたことも大きな収穫であった。
とりわけ私としては、「ハイケンスのセレナード」や「怒濤を超えて」「ドナウ河のさざ波」が興味深い。
特にハイケンスのセレナードは戦時中、「戦線へ送る夕べ」というラジオ番組のテーマ曲だった(らしい)のだが、印象的な名曲ながら原曲を聴く機会がなく、このアルバムを通じて初めて聴くことができた。また「怒濤を超えて」は‘NHKみんなのうた’の初期に合唱曲として採り上げられた曲で、私の幼少時によく聴いていたもの。
あと、このアルバムでは1曲ごとの曲解説がわかりやすく載せてあるのもうれしい限り。
時には、こうしたアルバムでクラシック小品を振り返るのも良いかもしれない。
ツィゴイネルワイゼン
タイトルになっている「ツィゴイネルワイゼン」はじめ,ポピュラーな曲ばかり。
ともすれば,ありきたりの曲集になってしまうところだが,そうなっていないのが楽しい。
「感覚的」と言われるバイオリンと,適度な抑制感のある(と私は思う)ピアノのコンビが素晴らしい。