間宮兄弟
「だって間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでいるじゃん。」
ルックスは冴えず、30過ぎても結婚できず、女には振られ続け、仕事もバリバリこなしているというのでもない。世間的に見たら負け組。
でも「間宮兄弟」は、誠実にきちんと、しかし楽しく暮らしています。
野球のスコアをつけ、ジグソーパズルに興じ、浴衣を着て花火を楽しみ、カレーパーティーを開催して人をもてなす。冬至にはゆず湯に入り、母親の誕生日はみんなで祝う。
華やかさはまったくありませんが、日々の生活をきちんと生きている兄弟と、セレブや勝ち組を目指して退屈な努力を繰り返している人たちと、本当はどっちが幸せなのでしょうか。
ちゃんと生きること、それが難しくなっている現代。そんな中で、いつも暖かな気持ちで暮らしている兄弟は僕たちの心をほっと和ませてくれる存在です。
こんな幸せのかたちもありかな、と思わせてくれる作品です。
Hey,Brother
間宮兄弟とのコラボシングルです。
曲自体は聴きやすくて、歌詞も映画に非常にマッチしていて大好きです。
特に、バース3のSUさんの歌いだしは凄くしっとりしていて好きですね。
でも残念な点も多かったです。
曲が3分ちょっとと短かったこと、ブックレットにメンバーの姿が殆ど無かったこと、カップリング曲がかなり物足りなかったことです。
これで1600円は確実に高いと思うので、☆−1にしました。
映画の企画盤ということなので仕方ないと言えば仕方ないのですが。
間宮兄弟(通常版) [DVD]
まず、30歳を超えても、寝るときも休日も仲良く一緒って兄弟を、キモく無く純粋な少年のように描き、体型・容姿が全然異なる佐々木蔵之助・塚地武雅を本当の兄弟のように思わせてゆく脚本と演出は素晴らしいです。
森田監督のセルフオマージュとも言える、「家族ゲーム」の食卓シーンを連想させる皆で並んで線香花火をするシーンとか、自転車のシーンに東京名所のナレーションがかぶさるシーンは、まさに「の・ようなもの」です。(笑)
洗濯機の中で洗濯物が回るシーンとか、河原の土手や銭湯のシーンでの何パターンかの見せ方や演出も面白かった。『塩むすび』は本当に美味そうだったし、兄がビール弟が牛乳を飲むシーンは笑いを誘うけど、これも美味そうそうだったね。
そんなこんなで、ずーっとどうでもいいエピソードと小ネタを積み重ね、ダレるかダレないか絶妙のタイミングで、笑いをさそうネタを入れる。
ヒロインを演じた常盤貴子、沢尻エリカもまた、可憐にして、どこか普通っぽい女性を好演。特に、常盤貴子なんてメガネ美人ながら、オバサン風味が入りつつある小学校教師ぶりがとってもよかった。また、兄弟の母親役の中島みゆきが作品全体にほのぼのと暖かな雰囲気を醸し出している。この映画は、兄弟愛を描くと同時に、家族愛の物語でもあるから彼女の起用は大成功と言っていいです。
結局、『間宮兄弟』は、やっぱり『間宮兄弟』のままで、成長もなければ後退もない。「何も変わらない事の幸せ」を噛み締める、という感じなのかな。いろいろあったけど、何も変わらない。でも、今までだって幸せだったから別にいいじゃないか、と自己完結してる。(笑) 何となくほんわかした優しい気持ちになれますよ。(笑)
間宮兄弟 スペシャル・エディション (初回限定生産) [DVD]
森田芳光の、久しぶりに好感の持てる新作は、既に評されているように、何よりもまず、彼のデビュー作の「の、ようなもの」を想起させる。80年代、自ら、流行監督宣言し、独特の人間描写と浮遊感覚、そして、クールでありながらオフ・ビートな笑いも併せもったタッチで、ポスト・モダン派の寵児と呼ばれた森田だが、当時の代表作の「家族ゲーム」や「それから」を例に挙げるまでもなく、一連の作品群の根底に研ぎ澄まされた冷たさと鋭さを感じていた者にとって、今作の持つ、意外なほどにほんわかと暖かいそのムードに驚かされる。本当に子供がそのまま擦れることなく大人になってしまったような間宮兄弟。生活サイクルといい、風采といい、一見、キモさ全開で、思いっきり引いてしまいそうなその日常ぶりだが、彼らの妙に生真面目で心優しくナイーブなキャラが、心の琴線に触れて、不思議と心地良いのだ。今の時代って、逃げ込めるスペースをどこかに持っていないとツライからね。劇中、「間宮ではなく、正に、マニア兄弟だね」と揶揄される彼らの嗜好も、例えば、フィギィアはアニメキャラではなくレア・シューズ、ゲームもパソコンではなくボード盤、他にも、紙ヒコーキ折りに温泉、スコアブックの書き込み(笑)と、デジタルではなく、とことんアナログ的な懐かしさ、彼らの本棚に並んでいる蔵書がどんな類のモノなのか何とも気になる(笑)。佐々木&塚地コンビの掛け合いと間が絶妙。塚地、そんなに卑下しなくても、もう少し、女性への接し方改めたら絶対モテるよ。さて、佐々木の“反省会しよう”との甘い囁きに誘われて、今作もまた、何度も観てしまうんだろうな。
間宮兄弟 [DVD]
間宮弟 「カレーライスの具できらいなものってありますか」
女性教師「カレーライスの中央に生卵をのせたものは食べられない。」
間宮弟 「そうですか。ゆでたまごなら食べれますか」
女性教師「生卵でも中央でなかったら食べられるの」
こういうほのぼのしたおかしみが分かる人はおもしろい。男の仲睦まじい兄弟が、カレーライスの会を開いたり、浴衣の会を開いたり、おでんの会(クリスマス会を奥ゆかしくおでんの会という)を開いたりする物語。少しの工夫で、取るに足らない日常も、愛すべき豊かな日常に変わることを教えてくれる映画。
人と遊ぶっておもしろい。見終わった後はきっと笑顔が少し柔らかくなる。自分の日常にも少し工夫をしてあげたくなる。そして、間宮兄弟のように、下心のない屈託のない笑顔で、記念写真を撮ったり、モノポリー(ボードゲーム)をしたりして誰かと遊びたくなる。