誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡 (集英社文庫)
「まともに文章を発表し出して二年足らず」という、
「です・ます」調のあとがきもどこか初々しい、著者のデビュー作。
名古屋でストイコビッチのプレーを目にするまでは、
サッカーに興味がないどころか、「嫌い」だったとまで語る著者だが、
今でこそ世界のサッカーを熱く語っているライターのなかにも、
ほぼ同様の貧弱な「サッカー歴」しか持たない人間は、
実はけっこう多いのではないかという気がするし、
逆に、筋金入りのサッカーファンを自認する書き手であれば、
「いかに自分が昔からW杯等を見ていて詳しいか」を
必死にアピールするはずのところで、
一貫して旧ユーゴスラビアサッカーに軸を据え、
丹念に取材を続ける著者の姿勢は際立っていると思う。
来日早々、ストイコビッチが貼られることとなった、
審判に楯突く「短気」で「粗暴」な選手というレッテルが、
全く実態にそぐわないものであることに気づいたところから、
著者の旧ユーゴサッカー探訪の旅が始まり、
「東欧のブラジル」とも呼ばれた空前絶後のタレント集団が、
国を割る内戦とともに無残にも引き裂かれていくという、
サッカー史上最大とも言える悲劇を描いた『悪者見参』や、
『オシムの言葉』といった成果を生み出していくことになるのだが、
今回、日本代表監督にオシムが任命されたことについても、
著者が果たした役割は決して小さなものではなかったはずで、
それも全てはピクシーのプレーから始まっているのだとすると、
彼が残したインパクトがいかに巨大なものだったかということが、
今さらながらに実感される。
ただし、本書が書かれた時点では、
旧ユーゴサッカーに対する思い入れの強さからか、
ひいきの引き倒しめいた甘さの感じられる表現がやや目につき、
その分だけ興を殺がれたきらいもあるので、
☆3つの評価とさせてもらった。
セブン・イヤーズ・イン・ジャパン (祥伝社黄金文庫)
タイトルはなんとなくだけど、日本のサッカーにかかわる人たちへのメッセージや、日本での生活、自分の子どもの頃からのサッカーとのかかわり、家族についてなど、おそらく誰かが口述を文章にした感じでしょうか、読みやすい文体で綴ってあります。自分と関わりのない理由で何度もプレーする場を奪われながら保ちつづけた闘志が伝わってきて、一気に読んでしまいました。
週刊ファミ通9月8日号増刊 サカつく×ファミ通 J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS 特集号 [雑誌]
攻略本というよりは取説の延長のような内容。
ゲーム半分・サッカーコラム半分の感じですがサッカー好きには読み物として十分な内容と思います。
特に30代の人にはものすごく共感するものが多いかも。
ゲームは最新がでれば終わりだけど、この本は10年後も楽しめそうな気がします。