年収150万円一家 毎日のこんだて
いかに安く食材を手に入れ、 いかに美味しいものに変身させるのか!
主婦の永遠のテーマです。
毎日めんどくさーと思う日もありますが、 これを読むと 一手間かけると美味しいものが簡単にできるというのを再確認できますね。
作者が食に貪欲なんでしょう(笑)
共感できるところが多かったです。
いつも安くいいものが手にはいるわけではないので、
スーパーで普通に買ってますけどね。。
こんなに楽しそうに節約しながら美味い飯食ってんだなぁと思うと
我が家も頑張らねば!と思う一冊です。
メイド・ロード・リロード (メディアワークス文庫)
「かめくん」「ザリガニマン」「レイコちゃんと蒲鉾工場」「どーなつ」「ウニバーサルスタジオ」などで有名な北野勇作さんの最新小説です。
今回のタイトルは「メイド・ロード・リロード」。冥土とメイド、メイド喫茶、セーブ/ロードのロードとゲームのロードなどをかけたダブルミーニング、だじゃれを使ったファンタジーライトノベル風SFです。そう、いつもは不可思議なSFがうりの北野勇作さんが、ライトノベル小説を書くというところから話が始まる小説です。
とはいえ、北野勇作さんの事ですから、その始まりからのところで既にどこまでが虚構でどこまでがメタでどこからが作品世界になっているのかわからなくなっていくという不可思議設定で、読み終わってみればいつものまごうことなき北野節が炸裂の小説でした。
なにがなんだかよくわからないままに世界に放り出される主人公。それを支えるちょっと魅力的な少女、現代風の多少ツンデレにメイド姿の女の子が、自分探しをもとめてロードノベル的冒険をするという、ライトノベルのデフォルトテンプレートを用いつつも、そこをメタに見下ろす作者と編集者、それが都市伝説となっている世界、それを小説に書いている作者という入れ子構造の多用で確実な足場がなくなっていく感覚は、とても北野勇作さんらしいものです。
今までと毛色はやや違うけれども、確かに北野作品です。
きつねのつき
出版社が「3.11後の世に贈る、切ない感動に満ちた書き下ろし長編」と銘打ち、作者自身は「日本初の保育園送り迎えSF」と韜晦する、大災害後の世界における日常を描いたS(少し)F(不思議)でほのぼのホラーな小説。
生物兵器としてつくられた人工巨人の暴走により壊滅した街。崩壊する巨人の生体組織に街は飲み込まれ、巨人の研究員だった語り手の主人公は妻を失い、そして返してもらう。
彼が取り戻した妻は肉塊になりはてていたが、娘をそのまま宿していてやがて出産した。その後、彼女は引っ越した家の天井と同化してしまい、男と娘と妻の三人の暮らしがはじまった。
「肉の津波」に飲み込まれたはずの街は何故かそのまま存在していて、日常が続いている。彼は娘を子供館で遊ばせ、隣家の騒音に悩まされ、保育園に娘を入れられるかに気をもみ、仕事をし、お花見を楽しみにする。しかし、彼には理解できている。この世界が以前と同じモノではないという事が。何かが喪われてしまったという事が。
街ではヒトではないモノが日常を演ずる如く、少しだけ舞台裏をのぞけばたちまち異形のモノが蠢く世界。主人公は淡々とそんな世界を受け入れる。彼自身も、もはやヒトではない。街の外から「取材」と称してやってきたテレビの下請けの人間に彼は問いかける。「あんたたちには、どんなふうに見えてるんだ。私たち、いや、このあたり一帯は」と。
あの日、以来。世界が、何かが変わってしまったような気がする。それでも、私たちは生きている限りこうして日を過ごし、「とにかく、ここにこうしている。」喪われた何かを愛惜し、まだここにある何ものかを大切にする。これはそうした、未来に開かれた物語。
(蛇足)それにしても、幼児ってのはそんなにセンスオブワンダーなのでしょうか。子供のいない私には理解しようもありませんが。
かめくん (徳間デュアル文庫)
何てことはない普通の生活を送る日々。
しかしそこに妙にひっかかる違和感。
淡々と進む中に時々凶器めいた光がチラつく。
極上。何度でも読める。そんな作品です。
その他に関しては語るべき作品ではありません。
と思っています。
NOVA 7---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
■日本SFの新作短篇が読める競作シリーズ『NOVA』。第1集には芥川賞作家・円城塔も参加していた。
■本書は待望の第7集。
■とぼけた味わいの北野勇作「社内肝試し大会に関するメモ」、空中に羽ばたくトビスミレなど謎の新種植物をめぐる藤田雅矢「植物標本集」、簡単な学習機能を備えたファーストフード店の客寄せロボットに自我が芽生えてそれが悲しい結末を迎える片瀬二郎「サムライ・ポテト」等、全10作品を収める。