諏訪作品は惹かれる おすすめ度 ★★★★★
諏訪緑さんの作品は「玄奘西域記」からずっと欠かさず読んでいるが、今回は「三国志もの」である。
実は昔、諏訪さんの短編集で「諸葛孔明もの」があったので、いつか三国志をやってくれるかなあ、と思っていたが、実際にやってくれて嬉しかった。
いわゆるよく知られる「三国志」は武将が大活躍する「三国志演義」という戦記ものなのだが、この諏訪版「三国志」は、諸葛孔明が政治や行政に奔走し、国造りをしていくという点に重点が置かれていて、戦争ばかりでうんざりしていたところに、こういう本を読むとホッとする。
三国志関係の本をいろいろ読んでも、ほとんどが戦争の記録ばかりで、政治関係は書かれていないものが大半なので、この著書も大変読み応えがある。
あと、別にこれはこれで構わないのだが、この著書の曹操はK−1ファイターみたいになってる。
実際に云われている曹操像とはかなりかけ離れているが、笑えるといえば笑える。
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