コミュニティビジネスの時代―NPOが変える産業・社会、そして個人―
読後、疑問や不満が山積状態である。そもそも事業型NPO(のみ、に近い)を題材として扱う書籍の表題に「コミュニティ・ビジネス」を持ってくるのは適切といえるだろうか。一番引っかかったのは、高名な学者の分担とされる章の中で、とてもその先生が本当に書いたとは思えないような「誘導」にみえてしまうような表現(例えば、パブリック・サポート・テストについてその合格率が現状非常に少ないがゆえにテスト自体が問題であると思わせるような表現をしているところ。問題はテストそのものではなくテストの通過基準等運用方法ではないのか)等がみられるように思えるところである。この分野についてある程度詳しい人が読むぶんには問題なかろうが、もともと知識を持たぬ人が読むとミスリードを招きかねないという点で、良い評価はつけづらい。すべての部分がダメとは言わないが・・・。