徴税権力―国税庁の研究
筆者はかつて国税庁を担当していた元・朝日新聞の記者。
「情報収集と資料分析にかけては、『最強の捜査機関』と喧伝される検察庁をもしのぐ
実力を持つ徴税機関の内情はこれまでほとんど報じられることがなかった。……本書は、
04年から06年にかけて、『週刊文春』、および『文藝春秋』に掲載した記事をもとに、
大幅な加筆、修正を行ってまとめた書籍『徴税権力』を文庫化したものである」。
本書は主に現場の調査官の視線から、守秘義務に抵触する内部文書や証言をまとめて、
彼らの「仕事の成果を世間に知ってほしいという秘かな願望」をかたちにしたもの。
とはいっても単なる太鼓持ちの国税礼賛に終始するものではなく、時にあまりに危険な
暴走ぶりや、政治家や大企業、宗教法人に対する弱腰への批判も籠められてはいる。
ただし、佐藤栄佐久元福島県知事の記述や日本史史上唯一まともな政治家田中角栄への
取り扱いを見るに、すべてを真に受けてしまうのは危険か。
文章は、華やかな脚色を排除した、いかにもルポルタージュ向きの落ち着いた文体、
しかしながら、その内容は十二分にスリリング。筆者と取材対象の間に流れる空気感や
国税捜査の息遣い、政治家らとの化かし合いなどがむしろ生々しく伝わる。
そして、そんな現場の熱意が見えるからこそ、「大蔵行政は政府与党の協力なくしては
一歩も前に進まない。国税は純然たる捜査機関の検察庁とは性格が違う。(政治家と)
妥協せざるを得ない部分もある」との悲哀、出来損ないのクズ虫が政治家を騙る不幸、
人間を騙る不幸が重みを以って響く。
水清くして魚棲まず、確かにこの世界はそういう風にできている。
とんだ茶番。
棲めぬ魚は殺してしまえ。
事実は小説より奇なり、とは本書を評するにふさわしきことば。
ミステリーやサスペンスごときでは及びもつかぬ緊張感溢れる一冊。
チェイス-国税査察官-DVD-BOX
最近、注目のARATAを観たくて購入
最初の一枚だけ観るはずが物語に飲み込まれて全部観終えたら朝の4時
あまりに切ない村雲の動機に胸を突かれ、ラストのトイレの中で初めて血の繋がりを思わせた場面が泣かせる
ハゲタカより感情移入しやすく話もよかった
乱脈経理 創価学会VS.国税庁の暗闘ドキュメント
話の流れは紹介文や他のレビューアーの言うとおり。公明党で実務能力、経験があり人脈も広い矢野さんはS○学会(池○会長)に脱税等の汚名を着せないために奮闘する。VSとあるが、激しい火花を国税庁と散らしたというより、国税には国税の正義があるが、S○学会や政治の野党としての公明党(法律を通すのに必要な人数を要する)にがつんと行くわけにもいかず、トップと矢野さんでひたすら落としどころを探してゆく、、、。そんな話です。話は急展開もありますが、基本矢野さんや他担当者と国税トップ側の打ち合わせの繰り返しが延々と具体的に述べられている感じです。そんな矢野さんに対して、公明党では、その工作に参加できない人間が陰口を言ったりとか、、、(会社と同じですね)。そして課税額を減らす努力が実れば、何も知らない公明党やS○会の人は無邪気に喜ぶ、もっと額を減らせという、、、。裁量権をふんだんにもってるわけではない矢野さんはそういう声におされつつ、変われるものなら変わりたいと思いつつ(余人をもって代え難し)、ひたすら話を進めていく、、、。なんか内容は違っても会社の縮図。有能でまじめな人はどんどん疲弊してゆく、、、。そして学会は当初案よりほとんど課税が無く、国税の現場はフラストレーションがたまってゆき、これからどうなるのか?そして話は終わります。
徴税権力―国税庁の研究 (文春文庫)
筆者はかつて国税庁を担当していた元・朝日新聞の記者。
「情報収集と資料分析にかけては、『最強の捜査機関』と喧伝される検察庁をもしのぐ
実力を持つ徴税機関の内情はこれまでほとんど報じられることがなかった。……本書は、
04年から06年にかけて、『週刊文春』、および『文藝春秋』に掲載した記事をもとに、
大幅な加筆、修正を行ってまとめた書籍『徴税権力』を文庫化したものである」。
本書は主に現場の調査官の視線から、守秘義務に抵触する内部文書や証言をまとめて、
彼らの「仕事の成果を世間に知ってほしいという秘かな願望」をかたちにしたもの。
とはいっても単なる太鼓持ちの国税礼賛に終始するものではなく、時にあまりに危険な
暴走ぶりや、政治家や大企業、宗教法人に対する弱腰への批判も籠められてはいる。
ただし、佐藤栄佐久元福島県知事の記述や日本史史上唯一まともな政治家田中角栄への
取り扱いを見るに、すべてを真に受けてしまうのは危険か。
文章は、華やかな脚色を排除した、いかにもルポルタージュ向きの落ち着いた文体、
しかしながら、その内容は十二分にスリリング。筆者と取材対象の間に流れる空気感や
国税捜査の息遣い、政治家らとの化かし合いなどがむしろ生々しく伝わる。
そして、そんな現場の熱意が見えるからこそ、「大蔵行政は政府与党の協力なくしては
一歩も前に進まない。国税は純然たる捜査機関の検察庁とは性格が違う。(政治家と)
妥協せざるを得ない部分もある」との悲哀、出来損ないのクズ虫が政治家を騙る不幸、
人間を騙る不幸が重みを以って響く。
水清くして魚棲まず、確かにこの世界はそういう風にできている。
とんだ茶番。
棲めぬ魚は殺してしまえ。
事実は小説より奇なり、とは本書を評するにふさわしきことば。
ミステリーやサスペンスごときでは及びもつかぬ緊張感溢れる一冊。
経営者セミナー 税務調査の対策を知り、不安を解消する(下) [DVD]
私はかなりの数の節税本を買ってきた。中でも薄井逸走(大村大次郎)氏のほとんどすべての著書、タックスシェルター、パーペチュアルトラベラー、移転価格税制、インバンの利用法、租税回避等の判例解説、海外不動産の利用法、レバを効かせた減価償却、家の買い方、相続の裏ワザ、現物出資による相続税回避ノウハウ...などなど調べたり買いまくったりしてきた。すべて大変勉強にはなったが、それでもレビューは一度の書いたことがない。
しかしこのDVDだけは書かないわけにはいかない。なぜか、これだけが、必死に節税を考えている本気の経営者の視点があったからだ。税理士でこういう発想ができる人はめったにいない。数々の税調に立会い、いや調査前に中止させてきた税理士の技も惜しげもなく披露している。この10倍の価格でも買う価値がある。100倍でもいいかもしれない(顧問契約を結んだ方が安くつくが)。
税調に立会い、あなたどっちの味方なんですか?と経営者に言われる税理士、節税のセの字も知らず、払うもんは、払って下さい、と経営者に「説教」する税理士、ちょっと黒字がでると、保険で節税しましょう!(キックバック目当てがミエミエだし、いまは損金になっても受け取るときに税金がかかることが)...などお客様であるはずの経営者の立場に立って考えない税理士は多いが、この講師だけは全く違う。この講師のほかのDVDも買ってみたいと思う。