female [DVD]
オムニバス映画にロクなものはない。それぞれのエピソードは「なんや、これ?」程度のもので、「官能」を表現するのに、この短さでは監督も力量を発揮できないだろう。でも、石田えり大好き。高岡早紀も大好き。野村恵里も大好き。3人とも(長谷川京子を除く)スクリーンの上に「女性」をムンムンさせることのできる名女優だと思う。それぞれの女優ファンならお金を出して買っても損はない。
リアル・シンデレラ (光文社文庫)
童話「シンデレラ」について調べていた編集プロダクションのライターが、「シンデレラは幸せになったのか」と疑問を持つことに端を発するリアリズム小説です。
この疑問に意気投合したプロダクションの社長から、知り合いの女性「倉島泉」を紹介され、取材を始めます。
「幸せになったシンデレラ」とは、本当はこのような人の事を言うのではないか。
物語は、筆者より若干年上に設定された「倉島泉」の半生を描いています。
僕には、倉島泉が、シンデレラ、と言うよりは、聖人に思えました。
例えば、悪人を「人の不幸を積極的に願う人」と定義するならば、
倉島泉は、その逆で「人の幸せを積極的に願う人」。つまり、善人です。
僕は、常日頃から「悪人」ではなく「善人」でありたいと、ぼんやり思っていますが、この小説を読んで思ったのは、「倉島泉のようにはなれない。」です。
倉島泉は常人の域を超えた善人。言うなれば聖人の範囲に入ると思います。
それならば、倉島泉になれない僕は、せめて、倉島泉が幸せになることを期待しながら読みました。
親にぞんざいに扱われ、かわいがられた妹の影のように育った泉が、せめて大人になって後は幸せをつかんで欲しい。
そう期待しながら読みました。
物語は、倉島泉の一生をきっちり語ります。
それでは、泉は幸せになったのか。
小説は、ライターの取材という形ですので、取材した泉を知る者たちがそれぞれ泉の一生に感想を語ります。
ただし、単純に「幸せだった」「不幸せだった」と結論を下しません。
読み終えた時点で、読者である僕たちが、泉の幸せに思いをはせるのがこの小説の味わいだと思いました。
すっぴんは事件か? (ちくま文庫)
少数派、マイノリティ代表?の姫野カオル子さん。
自分も少数派なんだな…と、気づかせてくれる部分や、分かるけど
ちょっと違うかも…と、思う部分と。
面白い文体なんだが、何ゆえ、マイノリティの意見、ちょっと読んでて疲れる
ところもある。
「夢はゴンドラに乗って」はとても素直な小学生の作文で良いと私も思った。
姫野氏の言う、F2層であるが。私もこれを採用したであろう。
しかし、教師がM2?層だったために、姫野氏の人生が大きく変わってしまった?
というのも興味深い。(そしたらもっと売れる作家になったのにね、笑)
あと、文庫本化を先にして、単行本を後にするという発想には私も賛成である!