明治・大正人の朝から晩まで (KAWADE夢文庫)
歴史は往々にして有名人ばかりが取り上げられるが、一般庶民の生活が伝えられることはあまりない。その点庶民がどの時代にどんな生活をしていたかがよく分かる。特に大きな事件や戦争があった時代の前後について、経済状況や風俗などがよく分かる。
近代史の副読本としてかなり役立った。
ベートーヴェンの1番から9番までを一晩で振るマラソン2004
・「ベートーヴェンの1番から9番までを一晩で振るマラソン2004」を、当日現地で聴いた者ですが、そのときの興奮が蘇るCDです。付属の解説書には、2004年12月31日の全交響曲『演奏開始時刻』と『第9番終演時刻』が記載されており、ささやかながらも臨場感を伝える演出が感じられます。
・肝心のCDは、「ライブ盤のCD」ではありますが、演奏のレベルもさることながら、録音の状態も満足の水準だと感じました。
・ベートーヴェンの交響曲全集をお探しの方、既に「全集」をお持ちの方、共に、このCDは持っていても損はしない、お薦めのCDだと思います。
バーンスタインのマーラーは、おそらくどの演奏も特筆ものなのだとは思いますが、これもすばらしいの一言に尽きます。
特に、演奏の機会の少ない10番は注目。
作者の死によりアダージョしか完成しなかった10番ですが、実に美しい。そして激しい。
VANから遠く離れて――評伝石津謙介
客車内で写された「鉄ちゃん」好みのする表紙からして自分の抱いてきた気詰まりのする石津像と違う。 恐らく表題はゴダールらによる67年製作のオムニバス・ドキュメンタリー映画『ベトナムから遠く離れて』から引いているのだろう。ベトナム戦争に対するゴダールの内省的な姿勢と独白が思い出される。伝説的人物の石津やVANブランドとの関係性に対してクールであろうとする方向性がうかがえる。
著者は、石津がファッションという言葉の狭さを拡大し解放した功績と、止揚すべき地点が衣食住・遊(良き趣味)にまで及ぶ英国的なライフスタイルであったことを見抜く。憧れや陶酔の象徴だったという「アイビー」も賢人志向の石津の中ではとっかかりでしかない。それを実践的にやれた時代が「大きいことはいいことだ」の高度成長期で、78年の倒産後はプロデューサー兼いち評論家として「悠貧」の思想を説く。著者自身が身近に接したのは、脂の抜けた80年代の終わりからで、ひと味もふた味も違う魅力的な老人として描かれる。
石津健介の「左傾」はどうやら一生ものであったようだ。永劫青春回帰とでもいうべき師の前衛(=VAN)的な生き方に、著者自身の心のふるさとも言うべき60年代への帰郷と理想の「父祖探し」を重ねているところが、この本の通奏低音。「現代学特別資料室」のような大労作なので、少し高いのは致し方なし? 60年代のVAN製品はKENTも含めてけっこう高かったというし。
マーラー : 交響曲第3番 / 交響曲第10番からアダージョ [DVD]
バーンスタインのマーラーは、おそらくどの演奏も特筆ものなのだとは思いますが、これもすばらしいの一言に尽きます。
特に、演奏の機会の少ない10番は注目。
作者の死によりアダージョしか完成しなかった10番ですが、実に美しい。そして激しい。