宇宙戦艦ヤマト (2) (MF文庫―宇宙戦艦ヤマトライブラリー)
ひお版ヤマト(第一作)の後半は、キャプテンハーロックの登場、ガミラスエージェント・イローゼ、小マゼラン星雲からの迎撃艦隊とプロットも豊富で、とことん楽しませてくれる。
実際に放映されたTVシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」との違いを探しながら読むのも楽しいし、逆に「ここは変えなかった」という共通点を読み取るのも楽しい。SF冒険漫画の傑作である。
宇宙皇子(うつのみこ) (黎明編 7) (角川文庫)
“その日皇子と各務は、不動宮で二人だけの夢を見た。
はじめての夢を見た。
二人だけの夢を見た。
二つの夢が一つになって燃える喜びを知った。
激しく荒れ狂いながら夢を見た。
千年の夢を万年の愛に変えていた。” (本文より)
累計1,000万部以上を売り上げた藤川桂介氏の代表作であり、
劇場やOVAでアニメ化もされ、音楽CD,カセットブック,画集などのファンアイテムも出した
全48巻,外伝4巻からなる、星暦672〜823年までの152年間の出来事を描いた異次元童話の47巻目。
『燃える夢想花/天空から、宝玉降る/密使、北へ向かう/津軽国、揺れる/怒りの霊殺/誇りを菩薩界に/
火龍、襲う/怨みの谷にて/キジムナー騒乱/さらば流民王国/千年の夢、万年の愛』の11章から構成されている。
星暦819年。最終巻の一歩手前という事で、この巻では長年に渡って作り上げてきた流民王国の、
仕上げと完成の姿が描かれている。
津軽国との和解、妖霊の鎮圧、天空からバラバラと降ってきた山のような宝石と、それを道に敷き詰める俗悪な作業。
鶴や孔雀など数々の鳥を放した庭園の造営。琉球から引っ越してきた数多くのキジムナー達。
流民王国の完成と夢想楽土という新たな国名の宣言。落慶式を祝うように降り注ぐ黄金と白銀の礫。
優婆塞・優婆夷を辞め、かつての規律から解放され、地の塩たるひとりの民として男女の交わりを始める鬼たち。
そして初めて互いと結ばれ、147歳にして童貞と処女を卒業した皇子と各務。
だが、そのような慶事に翳を差すように、天上界からの使者・思兼神が警告する。
皇子と各務、その両者は地上界に留まってはならぬ。もしそれを肯じぬならは、強硬手段も辞さぬと。
それは異次元童話の終結、最大の悲劇の始まりであった──
第3期 『妖夢篇』 までは最初にノベルス版を出し、何年かおいて文庫版を出すという手法をとっていた本作だが、
内容のマンネリ化と人気低迷のためか第4期 『煉獄篇』 の新書は文庫化されず、本作以下 第5期 『黎明篇』は
全て新書ではなく文庫で出されている。(しかも全10巻の予定だったものが全8巻に削られる始末)。
この巻は回想と称して過去巻からの引用が何箇所も長々と入り、それによって枚数を稼いでいる印象もあるが、
初期からのファンにとっては完成した流民王国の姿を見られるという事で、感慨もひとしおではなかろうか。
それにしても、皇子と各務が長年夢見てきた国というのは、宮殿を宝石で飾り立て、このような浮世離れした、
善人だけしかいないような御都合主義のカルト共同体であったというのは残念である。
まるで中国共産党が文化大革命時に各地に作って大失敗したコミューンそのものだ。
さすらいの太陽 DVD-BOX
子供の頃 見た作品です。貧乏の家の子供と金持ちの家の子供が、『運命に復讐』するという看護婦に故意に取り替えられ、互いに歌手を目指す。好きになった人が兄かもしれないと悩む主人公。ベタな展開ですが、歌謡界、恋愛、ライバル、いろんな要素があり、『ドラマ』として見れます。
当時、最終回の前までしか見てなくて。数十年の欲求不満が解消されました。?
六神合体ゴッドマーズ DVD-BOX II
この作品は私が中坊の頃、アニメブームの真っ只中でハマリました。いじめに合い易かった私は、「キャ〇ディ・キャ〇ディ」や「みなしごハッ〇」「小公女セー〇」などの、主人公が痛め付けられる作品を観ると、トラウマに陥ってしまい、チャンネルを変えてしまう状態でした。(またクラスのイライザみたいな女がよく観てたな)しかしこれは物語全般に愛情があったので、毎週楽しみにしていました。原作から離れた、救いのあるラストや人間関係が良かった。それに今までのロボットアニメとは絵柄の美しさが違い、主題歌にお子様コーラスがないのも初めてでした。ボックス1・2とも予約しましたが、実は数年前に他サイトで映画版を含むボックス4つを値引き無しで購入しちゃったんですね。私以外にもファンゆえに、再購入で泣いている方はたくさんいると思います。しかし、作品そのものは減点なし。
シギラの月〈上〉
十四世紀から十五世紀中ごろにかけて蜜牙古島は城(グスク)と言われる集落単位で生活していたが、城同士の争いがおこりはじめ琉球や大和、中国大陸の影響を受けて揺れ動く。そんな中で島の平和のために海の女神を探し求める一族と、人々の心の支えとなる不思議な女性シギラの話を中心にストーリーは進む。神を求め続け早世していく捜神士に謎のように繰り返される言葉「見ようとしない者には何も見えないし、聞こうとしない者には何も聞こえない」。この意味がわかった時に、何代にもわたった捜神士の深い因縁の糸がほどけていく。
最初は、独特の地名や人名の読みがややこしかった。それに慣れた頃、世界が色づいて時代をさかのぼった。流れてきたBGMは「島唄」だったけど。藤川桂介の描く神は、試練が好きだ。何かを得るには努力と犠牲がつきものだけど、ただ壁にあたるときもある。すべてが試練と思えば楽かもしれない。信じるものは救われる…かな。