飢餓海峡 (下巻) (新潮文庫)
ミステリ仕立ての社会小説です。
社会派ミステリーというジャンルがあった時代がありました。
(まだあるか)
主人公は二人です。
天下の罪人?それとも悲劇の人の樽見京一郎と
心やさしい酌婦の杉戸八重です。
その二人の生きていく道のりに刑事たちが絡みます。
ながーい時間スケールの中で進む物語で,
上巻は八重の,下巻は樽見の人生が綴られています。
丁寧に丁寧に二人の人生があらわされていて,
いい意味で道徳を感じさせられる本です。
はまる展開に一息に読めます。
飢餓海峡 (上巻) (新潮文庫)
いつか読もうと買ってはいたけれど、怖く手に取ることが出来ず、本棚に置きっぱなしにしていた。
触れたくない過去がこの本に詰まっていることは知っていた――敗戦の記憶。
絶対に読みたくなかったのに、手に取ってしまった。
ページを広げ即、引き込まれた。もう、読むしかない。
この本は戦争に負けた後、日本人がどんなふうに生きてきたかを伝えている。
だからわたしたちと無関係な登場人物はひとりもいないし、わたしたちと無関係な事件はひとつもない。
乾いた傷口を無理やり抉じ開けられる痛みに苦しみながら、すでに他界した作者に、よくぞこういう小説を書いてくれたと感謝の言葉を送りたくなる。
飢餓海峡
飢餓海峡は石川さゆりさんで一番好きな曲です。アコースティックバージョンも味わい深くて良いですが、やっぱりシングルバージョンが好きです。過剰にドラマチックなイントロや間奏、後奏。はかなげで色っぽい歌声から一気に激しく情念が燃え上がって力強い歌唱を見せるも、そこになお妖艶さと今すぐに壊れてしまいそうな危うさ・弱々しさが垣間見える…すばらしい表現力です。愛する人の爪を大事に持っていて、会いたくなるとその爪を頬に刺す…といった強烈な歌詞も良いです。
歌手生活35周年記念リサイタル 石川さゆり音楽会-歌芝居「飢餓海峡」- [DVD]
石川さゆりのファンではないけど、『天城越え』『津軽海峡』を聞きたかったのでCDでもよかったけどDVDを買ってみた。
CDではうまくてもライブでは、ということなくやはりうまい?
トークも安定感がありさすが。
構成も他の人がかかれているように申し分なく、なにを歌ってもうまいです。
しかし、歌手も『体力がいるな』と感じました。
飢餓海峡-全集- [DVD]
飢餓海峡と言えば、内田吐夢、三国連太郎で決まりと思っている人も多いと思うけれど、この浦山桐郎の渾身の作品(一部、恩地日出夫)は、本当にすごいよ!もう二度と見れないと思っていたので、感激しました。TVサイズでは無く、100インチで再生したけど、まったく耐えられるスケールでした。ただ、浦山作品と、恩地作品の落差には、改めてびっくり。全部、浦山で観たかった。映画版には無かった、蓮根畑や、牧場シーンは28年間、ずっと覚えていた名シーンです。テレビドラマのの最高峰だと思います。この際、NHKでやった、高橋功治、宇野重吉、中村玉緒版も、もう一度、観て見たいです。それにしても、飢餓海峡ってすごい小説ですね。3本の忘れられない、名作を生むなんて。