世界最後の日々
自選集3部作の完結編です。
この自選集は装丁とタイトルがきっかけで買い始めたのですが、完結編もあいかわらず素敵です。
そして何が何でも読んでおきたいのは巻末付録として載っている父娘インタビューでしょう!
自選集だからと読まないでいる方にも是非コレは読んでみてほしいと思います!
山本直樹さんの作品からのイメージとは別の姿が見えてきてとても興味深いです。そうですよね、山本直樹さんも人の親ですよね(笑)私自身が娘さんと年齢が近いこともあり、特に娘さんの感覚に共感する部分があって変な感覚でした。
年をとると、貧乳しか描かなかった作家も巨乳を描くようになる、という説がありますが「きさくなあのこ」はそんなに巨乳じゃないと思います。
町田ホテル (F COMICS)
町田ひらくのコミックを読んで毎回思うことがある。
それは町田ひらくのコミックが果たして「成年コミック」のマークをつけることが適正なのかどうか。
通常「成年コミック」いわゆるエロ漫画はエロが目的であり、男性の性欲を満たすことが主題である。そのため、エロシーンがそのストーリーとまったく関係なくとも、とにかく詰め込まれることが多いように思う。エロ漫画というのはストーリーは二の次になり、まずエロシーンといったことが多く見られる。しかし町田ひらくのコミックはいつでもエロシーンがストーリーと結びついており、またエロシーンがなくては成り立たないというような物語も多い。多くの映画にまたは小説に性表現が登場するということを考えると、町田ひらくのコミックに性表現が頻!発することも自然なことであるとも考えられる。
今回の「町田ホテル」では、特にその色合いが増し、直接的な性表現が登場しないストーリーさえある。また性表現自体も前述のとおりストーリーと深く結びついており決して無駄を感じさせない。
また今までの町田ひらく作品を読んでいる人にとっては、今までの作品を基にしてその話をプロトタイプとして、より完成度を増した類似したストーリーのもの見ることができ、また違った楽しみ方もできるだろう。
激しくて変 4 (光彩コミックス)
町田ひらくの名前に釣られて買ってしまったが、11作家のマンガを集めた作品集。あまりにマニアックな作品揃いに町田の作品がノーマルに思えてくるから面白い。エロ・グロ・ナンセンスは昭和の初期からあって表現の仕方は時代によって変わって当然なのだが、これらの作品はこの系統を引く正統派の作品群といえないこともない。牧神堂氏のようなこの系統のギャグマンガ家がいるのは意外だった、笑えないオチだが。健全な青少年向けマンガの対極に位置する作品群で現代のマンガの幅の広さを認識させる。
本の最後に「編集者のメッセージ」の欄があって、早見純氏に仕事があまりないというのが一番クヤシイと書かれてある。作品内容がアブナすぎて一般紙には載せるわけにもいかず仕方ないと思うが、いかにもありそうな話で面白かった。