DARKER THAN BLACK-漆黒の花-(4)(完) (ヤングガンガンコミックス)
イントロ:
ハーヴェストが望み、成そうとしている目的とは。
黒はその真実に辿り着き、彼を阻止することができるのか。
DTB“唯一の”公式コミカライズ、堂々ここに完結。
アニメのDTBを補完しつつ、その世界観をいっそう拡大させてくれた本作もついにこの4巻を最後に終わりとなってしまった。
本作はアニメ監督の指示のもと描かれたものではなく岡村天斎とはまったく別の人間───岩原裕二が独自に生み出した作品である。
故にこれは当然のことだとも言えるのだが、あとがきで岡村監督も言っているように、振り返ってみると『漆黒の花』ではテイストも結末へのアプローチもアニメのDTBとは趣を異にする一味違ったDTBの世界が広がっていたように思う。
とりわけ、戦って打ち勝つことで決着をつけるという至ってシンプルな構図での結末を迎えたのは本作最大の特色と言って良い。
そしてそういった道筋を辿ったために、本作のアクションはとにかくスケールが大きく派手なものに仕上がっている。
これは、動かせば動かすほどスタッフの仕事が激増するアニメーションが直面する現実の壁であり、漫画でなければ表現できなかった世界であろう。
また、アニメでもなかなか得られることのできなかった「南米の真実」の一端が得られ、同時に外伝及び『流星の双子』へと通じる数々のピースがちりばめられていた点も実に興味深かった。
そして本作をもってしてDTBシリーズは幕を閉じるようなのだが、『流星の双子』のラストが良くも悪くもああいったものであっただけに、シリーズの最後を飾るのが本作となったのは幸運だったかも知れない。
まあ、より正直なところを言えば、まだこれからもっとDTBの世界を見てみたいのだが・・・。
DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 1 (通常版) [DVD]
bonesが放つSFアクションアニメ『darker than black 黒の契約者』第1巻。
最終話まで見た上で言うがこのアニメはアクションアニメの中でも1、2は争うんじゃないかという出来栄え。なぜならこのアニメは能力者がただ敵と激しく闘うんではなく奥深い人間の心の感情を全ての話で表現しているからだ。どの話でも必ず人間の心の動きが伝わってくる。怒り、悲しみ、喜びなど。特に主人公たち、黒チームの成長が話が進むにつれてよくわかる。戦闘は殆どが短く地味だがそれがこの『ダーカー』の世界の雰囲気をより良く醸し出しているのだと思うし他のアニメと違った面白さというのも味わえる。それにこのアニメが凄く派手だったら逆に変だろう。
そしてキャラの魅力。主要人物は勿論、敵にも愛着が沸く。敵に愛着が沸くのはただかっこいいというのもあるが善良だからというのもあると思う。主人公たちの敵だがそこまで悪人というわけではないという敵(ノーベンバー11、ニック・ヒルマンなど)。
非常に完成度の高い作品なのにメディアへの露出度が低くてホントもったいない。まだ知らない、見てないといった多くの人に見てもらいたい作品。
ディメンションW(1) (ヤングガンガンコミックス)
絵はなかなか良いです。しかし内容はもっと複雑でもいいと思う。
登場するキャラなどは、王道を行っていて少年漫画っぽさを感じます。
とはいえ、まだ一巻だけなので、これからいくらでも面白くなる余地はあると思う。
これからに期待です。おそらく第二巻も買うでしょう。
ディメンションW(2) (ヤングガンガンコミックス)
さて、第1巻では独特の世界観と設定、そして一癖も二癖もある主人公を披露してスタートされた本作。
この2巻ではそこから一歩踏み込んで、世界観や設定といった表面上の特徴だけではない“趣”といった内面が描かれる。
言い換えれば、この作品が持つ特有の色が強く感じ取れるような内容となっている。
このことにより、主人公たるキョーマの人間性をより深く知ることが可能となるのだ。
また、前巻からの引継ぎエピソードであるルーザー編では、早々とキョーマの過去の一端が垣間見えた。
彼の過去が現在とどうリンクするのか、この点にも注目したい。
その他、帯では引き続きSFアクションと銘打たれているが、1巻と比すれば今回はアクション性は随分大人しめ。
それよりはヒューマンドラマの様相が色濃いかも知れない。
今後もただのアクション作品ではなく、多様な楽しみ方ができそうで何よりである。
尚、ミラは2巻で1巻にも増して魅力増。
ロボットではないと主張する反面、ヒトではないからこそできることがあるというのも事実。
キョーマの物語が過去を見つめているのに対し、ミラの物語は彼女がどうなるのか、どうあるべきなのかという未来を見つめたものとなりそうだ。