君は人のために死ねるか
iPodはウォークマンのライバルだから、ソニーにとってCCCDをやめることは、それこそ身を切る思いだったかもしれない。しかし、それが世の趨勢であり、民のニーズである。そこに気づいたのは、やっぱり「腐ってもソニー」である証拠だ。
故に、このCD&DVDをフォーマットを改めて発売し直したのは大英断にして、大正解。コアなコレクターの方にはCCCDも収集対象かもしれないが、私は自分がCCCDと持っていると思うと吐き気さえするので、早速こちらに買い換えた。やっぱり音もいいし、何より機器に悪影響がないのが安心だ。内容は変なリミックスが入っていること差し引いても星5つで文句ない。テイチクのニューバージョンを入れて「君は人のために死ねるか・コンプリート」にしてもよかったのになぁ、とはちょっと思う。
Porno Graffittiのベスト2枚も早々に通常フォーマットに切り替わったし(もちろんCCCDのときは買い控えていたが、変更されたので即買った)、他社もこれに追随して欲しい。ほぼ一緒にCCCDをやめたエイベックスも在庫がはけるのを待ってないで、積極的に交換して欲しい(切り替わったら、hitomiの「Self Portrait」買います)。「悪貨は良貨を駆逐する」のではない!「良貨は悪貨を駆逐する」んだからね。いつまでもCCCDを出し続けるT社(ビートルズや矢井田瞳の発売メーカー)さんも見習うように!
杉良太郎主演テレビ時代劇主題歌集
今まであるようで無かった企画盤。数々の名作テレビ時代劇に主演した杉良の勇姿がよみがえる。残念なのは音源がすべてオリジナルではないこと。テイチク音源が優先的に使用されているので、「燃える男」「すきま風」「明日の詩」「君は人のために死ねるか」がテレビ放映時のものではない。(「燃える男」に関しては後年の『右門捕物帖』スペシャルで使用された新録ニューアレンジ版)
時代劇ではないのでボーナストラック扱いの『大捜査線』主題歌「君は人のために死ねるか」はオリジナルを入れて欲しかったところ。前述の右門スペシャルの主題歌「眠れ、俺の腕で」もいい曲なので選曲されなかったのは残念。そしてライナーノーツには簡単でいいから各作品の解説があった方がいい。
昭和50年代、ゴールデンタイムに3作品も自身の主演作を持っていた杉良。作品の質も歌も良かった。だからこそ、あと一手間あれば、こういった企画も生きると思います。
(レコード時代、「あゆみ〜杉良太郎名場面集」というのが発売されていました。一部はソニーの時代劇コンピレーションに収録されていますが、ぜひCDで復刻して欲しいです。)
ちょんまげ天国~TV時代劇音楽集~
この「ちょんまげ天国」はテレビ時代劇の主題歌、挿入歌を集めたアルバムで、水戸黄門からはじまり銭形平次、江戸を斬るII、木枯し紋次郎等等・・・と集めに集めた27曲に圧倒されてしまう。
改めて聞いてみると、一部の曲は当時の曲のため音はチープではあるものの、アレンジレベルが今のアレンジに比べても遜色のない、いや、逆に今の作曲・アレンジレベルの低さを思い知るほど「時代劇」のテーマ音楽にスキャットをバリバリに入れたり、口笛を入れてみたり、時代劇のテーマという先入観なしに聞くと、主題歌・挿入歌とくくることが申し訳ないぐらい、レベルが高いのである。
特に「大江戸捜査網」や「大岡越前」当時にしてこんなに奥行きのある音楽が作られていた事は「日本の作曲家、ここにあり」を再認識させる。
今の作曲家先生につめの垢でも煎じて飲ませたいほどの名盤です。