霊は語りかける―実録怪談集 (ハルキ・ホラー文庫 ひ)
タイトルの胡散臭さでまず引いてしまうと思いますが、インチキ霊能者のでっちあげ系本ではないです。いかにもそれっぽいタイトルではありますが、勝手な解釈で無理矢理結論をつけるようなことはしていないし、「聞いたことをそのまま伝えて、あとの判断は読者にゆだねよう」という姿勢を保ちつつ「どう考えてもただの勘違いでしょ」というレベルの話は排除してあります。それなりに「怪奇現象かも」と思える一線は維持しています。文章も読みやすいし、結構楽しめます。(東日本大震災関連の話は生々しくて読むのがつらいですが…)
しかし、だからこそタイトルの胡散臭さが本当に残念です。著者がつけたのか編集者がつけたのかわかりませんが、いくらなんでもこのタイトルはないと思います。タイトルのせいで中身の話一つ一つまでが胡散臭くなってしまっていますが、タイトルは一度頭から追い払って読むといいです。