「ウォール街」と並ぶ80年代のビジネス映画の傑作脚本おすすめ度
★★★☆☆
アカデミー作品、監督、主演女優、助演女優賞に軒並みノミネートされただけあって、この作品の脚本は本当にセリフが素晴らしいです。メラニー・グリフィス扮するテスが物語の中盤で「ラジオ局の買収と自社株買い」の提案を引っさげてハリソン・フォードを訪ねるシーン他、物語の重要な部分はほとんど音楽や、カメラワークに頼らず、セリフと役者の演技で見るものを納得させています。
個人的には、これほどの脚本を紹介したことをもって出版社の功績を評価しても良いとも思うのですが、誠に残念ながらあまりにも多く誤訳が目立つので星2つ減らしました。もちろん、これは作品を楽しみたい人にとっては全く支障にはならないと思いますし、また初めから日本語を読まないで理解できる人には関係ないことです。ただ細かいことを言いますと、この作品で使われているビジネス英語はちょっと証券の知識がない人では正しく訳せないのではないかと思われるくらい専門性の高い言葉で、そうしたことに注意を払わないまま、うっかりと作品の心臓部であるテスの提案までも誤訳してしまっているようなので、私ならずとも著作権者から文句がでかねないと思い、あえて苦言を呈させて頂きました。今後の改善に期待します。