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浅井長政正伝―死して残せよ虎の皮 (人物文庫 す 3-1)
浅井長政正伝―死して残せよ虎の皮 (人物文庫 す 3-1)
世に言う『凡愚の将』は、数多く居る
この作品にも、凡愚は大勢出て来る
足利義昭然り、朝倉義景然り、そして、本編主人公長政の父・浅井久政然り
だが時として史書ですら暗愚とも言われたこの3人が、突然として光り輝く場面がある
それこそ、小憎らしいほどの輝きを放つ
主人公格である歴代の勇将達ですら脇役にしてしまうほどの輝きを
この作品はどうしようもなくページ数が多い
しかし、それを忘れさせるほどの魅力が詰まっている
読み手が忘れかけた頃の、随分前のページにあったエピソードが突如として息を吹き返し、それがまるで伏線のようにいくつも張られている
執筆者が長く温存していたのだと気付かされた
信長の傀儡にはなるまいぞと、こしゃくなまでにセコい手を使う義昭
その姿は滑稽でありながら、妙に可愛らしく映る
国家安泰だけを願い、自分の窮地を救ってくれた長政が、今度は窮地に陥っても、義景は救いの手を差し伸べない
だがそれには、義景なりの理由があった
最終的には共倒れになってしまうが、この作品では寧ろそれを予見していながら義景は、最後の最後に戦国武将の意地を見せたような気がした
義景と同じく戦を好まない久政が、ささやかな願いをずっと胸に秘めていたことを、信長に追い詰められた長政がようやく気付く場面がある
なんとも切ない話であった
切なく泣けて来る場面でもあったが、そこに男の弱く可愛らしい姿を見たような気がした
男はつまらないことに命を張る
そんな時代にあってこの3人は、世間から見れば「バカなことに依怙地になっている」と映るのだろうか
寧ろ誰よりも、自分以外の人間を第一に考える、愚かと呼ばれても大事な何かを守るため、「凡愚」の言葉に甘んじていたような気がする(義昭は、この場合は除外するが)
物語は長政と信長の対立を描いているが、随所にそれを取り巻く人々をも書き描き、それがひとつひとつ個性的な花となって咲き乱れる
残念なのは、義景と久政のキャラが被ること
題目にある長政と信長の愛と言うのは感じられなかったし、二人の関係も非常に希薄に見えた
だが、それを補って余りあるほど魅力を放つこの3人の凡愚が、愛しいほどの信念を持った人間に描かれていて、殺伐とした戦国時世の救いになったような気がした
こう言う歴史小説ならいくらでも読みたくなるのだが、優れた将は滅多に居ないのと同じで、優れた書にもまた、滅多に出逢えないのが寂しい
余談だが、この作品における足利義昭が、某戦国ゲームの今川義元に見えて仕方なかった
全てが終わった後に、蹴鞠を楽しむ義昭の姿が目に浮かんだのだから・・・(汗

個人的な意見を蛇足にするなら随所に笑い所が存在し、人知れず吐血する信長がセクシーに感じた(←ヘンなこと書いてすみません)




何がなんでも作家になりたい!
何がなんでも作家になりたい!
第47回日本推理作家協会賞を受賞した著者による、三章立てのエッセイ?
HowTo本?です。

この企画に対し、当初著者が思いついた題名は
「稿料格安締切厳守 作家のなりかた なってから」だったそうです。
実際の内容は、この当初案のほうが正しく表しているという印象を受けました。
一章・二章が「なってから」(小説家と担当者のやりとり・どんな生活か等)
三章が「なりかた」(新人賞の選び方等。取って当たり前とか書いてある……)
になります。
一・二章で全体の2/3を占めており、どちらかというと「なってから」が
メインだと思いました。

真剣に小説家を目指している人の参考になるのはもちろんのこと、
小説家というよくワカらない生き物に関心がある人の読み物としても
おもしろい一冊です。







思いがけずこんな 鈴木輝一郎 を夢で見た・・・!


ドラマ、映画でも活躍中の 鈴木輝一郎は「ファンはそれ(セクシーさ)を求めていると思う。期待を裏切らないのがポリシー」と言い切る。
「赤い水着が薄くてパッドも入れられないくらいだったんですよ。スケ気味だから見えちゃってるかも…」と心配そうに話した。真冬の東京ロケなのに屋外の撮影もあり、「そのときは震えてました」と笑いながら振り返った。

実にすばらしい。こりゃまさに、

『 三週間互いに研究しあい、三ヶ月間愛し合い、三年間喧嘩をし、三十年間我慢しあう。そして子供達が同じことをまた始める。 』( テーヌ )

どういう意味やねん^^;

[M]小説家鈴木輝一郎(すずき きいちろう)公式サイト
鈴木輝一郎・「めんどうみてあげるね」は、なにぶん14年も前に書いた作品で、デイケアなどが存在しなかった時代に書いたものです。時代を先取りしすぎたかと思いましたが、今読んでもちゃんと面白いのでおすすめ。新潮文庫版は現在絶版しています ...

「中年宮本武蔵」鈴木輝一郎
鈴木輝一郎4冊目。 前回の「白浪五人男」と違って、武蔵が最初から衆道一直線って分かってたので変に邪な心(ノーカプ狂の)を持たずに読み切れました。

幻術絵師 夢応のまぼろし/鈴木輝一郎
幻術絵師 夢応のまぼろし 鈴木輝一郎(著) 時は信長の時代。絵師・茜部夢応は、描いた絵に命を吹き込む幻術師。 幻術嫌いの信長から逃れつつ、生霊や魔と対峙して謎をとく夢応。 人間への深い洞察に満ちた妖かしの幻想夢譚。 評価:★★★

鈴木輝一郎: 何がなんでも作家になりたい!
事情を軽妙に語ってくれるという感じ。変なわざとらしさが無く、単純に読み物としてなかなか面白かった。(★★★★). 何がなんでも作家になりたい! 何がなんでも作家になりたい! posted with amazlet at 08.06.30. 鈴木 輝一郎 河出書房新社 ...

鈴木輝一郎『何がなんでも作家になりたい!』(河出書房新社)
「作家を目指す人のための本」関連は、何となく好きで、 図書館で見かけると、つい、借りてしまう。 (買うほどでは、ないんだけれどね) 読みやすいのと、作家の裏話めいたものが面白いから好きなのかしら。 この本も、たまたま図書館で見かけて、衝動 ...

[M]5月23日(金):やっぱり日本史ってのは、享保以前は伝説の世界だよ ...
鈴木輝一郎/Book. 5月23日(金). まあ、そんなこととはまったく無関係に歴史小説『バスクリン慕情(仮)』の史実年表をパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコと打ち込み。あー退屈。 ...

鈴木輝一郎
815845763. 浅井長政正伝―死して残せよ虎の皮 (人物文庫 す 3-1). 賢愚武将への敬意. 戦国時代以降を決定づけた源流とも言える「浅井長政と市とその娘たち」を描写した時代絵巻として期待したが史実に基づいているのかもしれないがこれまで読んだ「浅井 ...

鈴木輝一郎
487526610. 日本推理作家協会賞受賞作全集 76 (76) (双葉文庫 こ 5-7). 浅井長政正伝―死し 残せよ虎の皮 (人物文庫 す 3-1). 賢愚武将への敬意. 戦国時代以降を決定づけた源流とも言える「浅井長政と市とその娘たち」を描写した時代絵巻として期待したが ...

鈴木輝一郎
2057950568. 日本推理作家協会賞受賞作全集 76 (76) (双葉文庫 こ 5-7). 何がなんでも作家になりたい! もしかしたら. もしかしたら、職業として小説家を目指そうと思ってる人が、まず最初に読むべき本かもしれない。この本を読んでもまだ(職業としての) ...

「もしも義経にケータイがあったなら」 鈴木輝一郎
もしも義経にケータイがあったなら (新潮新書)/鈴木 輝一郎; ¥714; Amazon.co.jp. 義経が、一の谷・屋島・壇ノ浦とあんなに活躍したのに、頼朝に疎まれてしまったのは、報連相が足りなかったから。だから携帯電話を持っていれば、そうはならなかった、 ...

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リム ランナーズ | 北田薄氷