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世界の“水”が支配される!―グローバル水企業(ウオーター・バロン)の恐るべき実態

国際調査ジャーナリスト協会(ICIJ)
おすすめ度:★★★★★
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日本の水道はどうなるか?
おすすめ度 ★★★★☆

フランスの2大水道会社と独・英の水道会社の3つのウォーターバロンが世界の水道事業への支配を強めている事例を実名を挙げながらジャーナリスティックに描いている。発展途上国では世界銀行などからの融資を後ろ盾に、また、アングロサクソン系の先進国では、自治体や政治家との癒着や賄賂で政商的動きで事業を勝ち取っている様子がわかる。日本の水道も民営化への端緒が付け始められているが、エネルギー(石油、ガス)や食料と同様、水も外国企業へ頼るようでは、市場原理主義の行き過ぎとなり怖い気がする。



「水」商売の行方
おすすめ度 ★★★★★

日本の農業は西洋資本主義によって崩壊させられたが、「水」も資本家によって支配されるときがくる。本書はその警鐘本として高く評価できる。
世界の先進国においては農産物の国内自給率・輸出量が多く、この事実だけみてもいずれは「水」も西洋の資本家に支配される運命にある。
日本の水資源を守るためにも必読の一冊である。



水道の民営化によって、世界各国の都市で実際に起きてしまったこととは。
おすすめ度 ★★★☆☆

会社名、かかわった人物の名が具体的に書かれていて、どこか知らないよその国のお話とは感じられずに興味深く読めた。日本の国力が下がるとこの本に出てくる国々のようになる可能性があるのかも、という考えがチラと浮かんで恐ろしくなった。

南アフリカでは、料金を払えないために水道を止められた何千人もの人々が汚染された川や湖から水を得ることを余儀なくされた結果、コレラの大流行が……。

ボリビアのコチャンバ市では世界銀行の勧告に従い水道を民営化した。それによって水道料金は値上げされ、料金不払い者の水道がストップ、地下水に対する権利をも会社が獲得したため、住民の所有する井戸については使用料を払わなければ閉鎖することが可能となった。その後水暴動が起き……。

オーストラリアでは汚水処理場の設備の不具合と監視ミスによる悪臭騒動が……。

その他、本文中にはブエノスアイレス、マニラ、インドネシア、コロンビア、米のアトランタとインディアナポリス、カナダなどの例が上げられており、巻末には『ウォーターバロン 企業プロフィール』『水問題に取り組んでいるNGOの一覧』などがある。
この二つの一覧、さらにくわしく調べたい人の手助けになるのではないかと思う。


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