二葉亭四迷: くたばってしまえ (ミネルヴァ日本評伝選)
二葉亭四迷は、明治時代の作家であり言行一致文体で書かれた『浮雲』が有名です。これまでに、二葉亭四迷といえば中村光夫の「二葉亭四迷伝」がよく読まれた名著だったのではないでしょうか。中村光夫本の誤りもいくつか指摘されています。新たに優れた二葉亭四迷の評伝としてこの本をお奨めします。
マンガは欲望する
どうも読後感が「マンガも文芸の古典も、知的階級の家にさえあればいい」という極論を落とし込まれた気がして、やや不安な感じになった。制作者の立場からすれば、古い物を否定して…というのは決して歴史破壊の考えでは無い。しかし、比較文化をしている人間が、そのような読後感を与えるとは…自分の読書の眼が曇ったのかも知れない。漫画の名作も古典も、昔から庶民の家にあり、本は古びる。