禿鷹の夜 (文春文庫)
恥ずかしくも、逢坂剛が、このようなハードボイルド、それも「悪徳」と評されるような刑事を主人公にした作品を書いていることを知らなかった。別の作者の後書きで知って、慌てて購入して見たわけです。
この作品、評価別れるでしょうねぇ。
一言で言えば、前からの逢坂フアンは、☆一個か二個。この作品が逢坂と初めて接する人は、☆四個か五個なんではないかしら。
で、私は中間で☆三つとしようかと思ったんだけど、正直言って実は楽しめたので4つにした。
かなり慌てたというか、文字通り乱暴な部分もあり、何だかすごく時代を感じるような(大藪春彦や大沢在昌の初期の作品のような)稚拙とも思えるような部分もあり。。。結構戸惑います。
大御所でもある逢坂剛が今更、という感じもしないでもないタッチです。
でも、どうもそこが、懐かしい日活(裕次郎の)アクションものを見るような効果をかもしだしている。非現実な面白さ。
あり得ねえよ、といいながら楽しむまさにエンターテインメント。
これからどう進んで行くんだろう。レビューワーによっては、この先の作品読んでも…と言う評もあるんだけど、私は読むよ次も。読みたいよ。
なんというか、人工甘味料たっぷりの飲料のような、危ない面白さ。とっても魅力的でね。
平蔵の首
実は池波正太郎の鬼平犯科帳をそれほど読み込んでいない。
どちらかと言うとTVの吉右衛門平蔵ファンである。
だから本作も吉右衛門をイメージして読んだ。
鬼平ワールド全開で楽しいのだが、
どの作品も「おとり捜査」と「変装」ばかりで
バリエーションに乏しいのが難。
原作はもっとパタンがいろいろあったはず。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 小説 (集英社文庫)
買ってきて、あっ!という間に全部読んじゃった!2時間弱・・・・・楽しかった!!久々に時間を忘れた!!
大沢推理協会会長が鮫島目線なのでちょっとはずしていますが、他はすごい!!でも藪さんと両さんが幼馴染という設定で、ちょっと藪さんの過去が!ファンには美味しい!
IWGPはいつものように、段落の合間にイラストが入っているし、吉岡さんと両さんが同期の知り合いという設定!!
マコトが言うに両さんは、クロマニヨン人の骨格をしたスーパーコップだそうです!!
京極夏彦もいつものように妖怪のイラストから入っている!!この2人のサービス精神はすごいなあ〜〜〜
京極堂は版権の都合で名乗れない・・・と、作中で説明までしてますが、きちんと出て来ます。大原部長が主役なのですが、両さんと京極堂のエピソードも入って、さらに妖怪も入って、さらに推理小説になっている!!!
でもって、ものすごい出来がラストの東野圭吾!!!こ・こんなものすごくこち亀っぽい話よく考え付く・・・ストーリーのあまりの出来にうなります!!!
注意点は京極夏彦の妖怪シリーズのメンバーの平成の様子までさらりと触れているところ!ちょっと・・・・ファンは注意ですね〜〜〜
百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫)
複雑に絡み合う謎と登場人物。
公安倉木と殺し屋百舌。通常、事件は刑事側が解明していくことになるが、百舌が記憶喪失となっているため、
追う者、追われる者の両者の立場から事件と謎は解明されていく。
そのためどの章を読んでも中弛みせず、読者をぐいぐい引き付ける。
強靭な精神力を持つ倉木、冷酷で残忍な百舌という、
目的達成のためには何を仕出かすか分からないハードボイルドキャラの次の行動に期待してしまう。
読んでる最中は楽しんで読めたのだが、振り返ってみると強引に感じる設定がいくつかあった。
ということで、星4つ!
おれたちの街 (集英社文庫)
待ってました!な御茶ノ水署シリーズ4巻。
警察小説だけど殺人の起こらない、肩の凝らないユーモアミステリー。
今回は新キャラ立花も加わり、斉木・梢田・五本松との絡みも上手くて始終笑いが絶えない展開に楽しい一時を過ごせました。
単品読みでも充分楽しめますが、シリーズ1から読むともっと楽しいですョ!
(シリーズ1〜3は文庫にもなっています)