アニー・ホール [DVD]
アカデミー賞を多数獲得している、文字通りウディアレンの代表作。
当時としては斬新な撮影手法がいくつも投じられていて、その意味でも時代を代表する作品。
具体的な内容といえば、70年代のNYを舞台に神経質で皮肉屋のアルビーと、
歌手としての成功を夢見るアニーホールとの恋愛模様が描かれるロマンスコメディです。
ただその多くが、当時のアメリカを取り巻く政治や人種問題、文化をベースとした
スノッブな会話シーンに割かれているため、今現在日本で生きるわたしたちが
予備知識無しで観ると、そもそも話している意味すら理解できない場面も多いかも。
そしてなんだかんだ言ってもロマンスが中心軸なので、恋愛を中心とした人生経験を積まなければ、
さらに理解できない場面が増え、面白みはますます減少していくと言うか。
わたしもアニーホールを何度か観ていますが、
10代の頃はどこが面白いか全く分からず
20代に観たときに恋愛のパートについてちょっとだけ感じ入ることがあり、
30代半ばで観たときは・・・号泣してしまいました。
特に後半、愛し合った二人の心が少しずつ離れていき、
完全に納得できないままであっても訪れる別れ。
そして数年後に街で偶然会い、恋人たちをあらわすエピソードが流れる。
愛というものは永遠に続かないかもしれない、でも。
詳しくは触れませんが、映画中にちりばめられたコメディも皮肉も、
すべてはラストのその一言をあらわすための壮大な序章だとおもいます。
つまらないという人も真実、大好きと言う人もきっと真実。
なので誰にでも購入を勧めるかどうかという意味では判断は難しいけれど
時が来れば誰もが好きになるかもしれない、そんな映画だとも。
ちなみに・・・わたしは大好きです!
We Are The World DVD+CD
マイケルの死を受けた商品はこれからもしばらくはリリース・ラッシュが続くのでしょうが、複雑な気持ちをどこか拭うことができません。それでも本作はリアル・タイムで楽しみ、周囲に対しても屈託なくその気持ちを見せることができた、ほぼ最後の作品であることから、いま見ても衷心から楽しむことができます。また、本作はマイケル以外にも、スティービー・ワンダーとクインシー・ジョーンズとボブ・ディランのスリー・ショットであったり、後日呼び出されたレイ・チャールズの佇まいであったりと何かと見所の多い、お徳な一枚になっています。それでも、星4つの評価というのは、レーベルの関係等で叶わないことは承知してはいますが、CDにメイキング映像中で流れるマイケルによるガイド・ボーカル・ヴァージョンが収録されていれば、本当の意味で「完全版」の名を冠することができるのではないかと思ったからです。
スーパーナチュラル オフィシャルファンブック Vol. 2(AC Books)
これは、「Supernatural Magazine」を訳したものです。内容はシーズン1〜3です。アメリカでは隔月刊行で、11月24日に13号が刊行されました。
Vol.1は1号と2号、Vol.2は3号と4号を編集しています。内容は同じです。発行元HPでは、このVol.2の売上でVol.3の刊行がきまると発表されています。
アメリカン・ベースボール 伝説の男たちの記録
はっきり言ってタイトルと中身は別物と思っていいでしょう。
一見すると選手の記録集やエピソード集かと思われますがそういったものではありません。
アメリカの野球の歴史を様々な視点から振り返っている本になります。
発祥、道具の発展、報道、球場、観客、そして伝説の選手達。
基本的には第二次世界大戦前までの話が多いです。また写真が多いので当時の様子が良く分かるのもいいですね。
野球にまつわる様々な歴史をビジュアル的に見れる一品です。
サイモン&ガーファンクルのすべて
私が中学生になって洋楽に目覚めた頃、S&Gはビートルズと同じように解散していました。しかし、レコード会社があの手この手で曲を組み合わせたLPを売っており、私もそのうちの1枚(2枚組みだったかもしれない)を買って夢中で何度もターン・テーブルにのせました。ビートルズとともに英語の歌詞の素晴しさに気づかせてくれたのもS&Gが最初です。今でもサウンド・オブ・サイレンスは歌詞カードを見ずに歌えますし、香草の名前を覚えたのもスカボロー・フェアが初めてでした。その後、S&Gとは縁遠い音楽を聴くようになりましたが、S&Gは私にとっての洋楽初体験の一つ。ここにS&Gの主要曲がほとんど揃った作品を入手することができ、嬉しさと懐かしさで一杯です。アートの天使の声、それに負けないポールの声とギター、2人の声が組み合わさったときの震えがくるような美しさ。そして歌詞の秀逸さ。S&Gの格別優れた曲(私はボクサーが一番好きですが)を選りすぐった本作は、中年の人にも、アメリカ60年代の良心を探求し始めた人にもお薦めの作品です。