キャプテン・アメリカ:ニューディール
9.11のテロの直後のワールドトレードセンター倒壊現場からストーリーが始まります。もう10年も前の事ですので、日本人の記憶からは遠ざかりかけている事件ですが、ジョン・キャサディの繊細なアートは、マーベル社屋がマンハッタンにある事もあり、とてもリアルにあの事件、あの現場を我々に思い出させてくれます。
本作が1番問題にしているのは、アメリカがイスラム原理主義に代表されるテロリズムにどう向き合うのかという点です。テロ事件の後に実際に起きたイスラム人に対する迫害事件なども取り上げて、人間の尊厳とは何かをキャプテン・アメリカの独白で描いています。とても考えさせられる良作です。キャプテン・アメリカでなければこのストーリーは描けなかったでしょうし、キャプテン・アメリカの近年のタイトルの中では出色の傑作と言えるでしょう。
このタイトル後にはクリス・バチャロがアートを担当していましたが、独特の良い味はあったにせよ、余りにもリアルからコミックへと雰囲気が変わりすぎてしまって不評だったのか、惜しくも短命の連載になってしまったのが印象に残っています。
本作は事件後8ヶ月も準備期間を要して出版されており、とても良く練られたストーリーとアートで、何度も繰り返して読む事の出来る内容の深さがあります。キャプテン・アメリカは、マーベルヒーローの中ではそれほど抜きん出た能力を持っている訳でもないのになぜヒーローの中でリーダーが務まるのか、本作を読めばその理由も納得ですし、彼のファンになる事請け合いです。映画を見る前にも是非一読をお勧め致します。
NHK ニュースの音楽2010
ニュース音楽、といっても、ジングル的な短いものから長尺のものまで様々
なのを収録。個人的には「なんか余計」と感じていたスポーツニュース系の
曲に好レビューが集まってるのが、こういう企画ものの構成の難しさの証明
なんでしょうね。
今回はごく最近の曲だけで構成されているけれど、これをとっかかりにして
歴代ニュースのジングルを集めたアルバムを是非出していただきたい。定時
ニュースのジングルだけであれば1枚のCDで、TV放送開始から現在まで1枚で
入ると思うんだけど。
昭和40年頃の威勢の良い「NHKニュース」のジングル(今みたいに、時間帯毎に
別の曲を使ったりしてなかったと思う)や「ニュースセンター9時」の最初の
オープニングなど、聴きたい曲が沢山あります、名曲揃いだし。