ジョン・レノンを殺した男〈下〉 (扶桑社ミステリー)
映画「チャプター27」の公開を期に、絶版になっていた訳書が文庫本として復刊されたものです。
本書は、1980年12月に起こったジョン・レノン殺害事件の犯人であるマーク・デイヴィッド・チャップマンを題材にしたものです。彼の殺人に至るまでの「謎」を200時間以上に渡る獄中取材を中心に、周りの人たちへの取材を加えて描かれています。更には、当時の精神科医らの見解も含めて、彼の心的状況を捉えて行きます。
全体を通して、何となくその「謎」に辿りついたような気にはなりましたが、一方でチャップマンの精神面の異常さを十分には理解仕切れていないという気もします。
こうした理解をより深めるためには、「ライ麦畑でつかまえて」をもう一度じっくり読む必要があるのかも知れません。そうすれば、幼年期、思春期に心理的なトラウマを負った抑鬱的ヤング・アダルトが、大人の社会で機能できない状況を、もう少し理解できるかも知れません。
それ以上に怖いなと思ったのは、クリストファー・ラッシュの「ナルシシズムの時代」の内容で、現代社会がこうしたチャップマンのような人物を生み出しやすい社会になっているという分析です。マス・メディアの発達によって、現実と幻影が曖昧になり、「有名人」に「夢物語」を見て、そこにアイデンティティを確立しようという人たちが出てきているということです。それは、その後のヒンクリーの例を引くまでもなく、人々が「ダーク・ハーフ」に捕らえられる危険性を有しているということだからです。
この本自体は、非常に上手く構成されていて、チャップマンの心の動きを良く描いていると思いますし、事件の真相に非常に近づいた本だと思います。
訳の方も、日本語にしてしまうとニュアンスが伝わりにくいところは原語のルビが振られており、理解しやすくなっています。それと同じ意味で、「ライ麦畑でつかまえて」の新訳にあたって村上春樹があえて「ザ・キャッチャー・イン・ザ・ライ」とした意図が解ったような気がします。
ジョン・レノンを撃った男 [DVD]
1980年12月8日。あの日のことは、忘れることが出来ません。ジョンレノンを射殺した男。
マークチャップマン。このDVDを観てただの精神異常者としか思えませんでした。
なぜこのような精神異常者が今だに死刑にもされず刑務所に監禁されてるのか?
精神異常者ならば精神鑑定で仮釈放されてもおかしくないのでは?と考えると精神異常者じゃないのか?
なにか公表出来ない裏があるのでは?と思ってしまいました。
「ライ麦畑」の正しい読み方
ライ麦畑の「正しい」読み方、なんて、傲慢なタイトルじゃないの!?と思ったが、後書きによると、出版社の意向に従っただけで、作者はそうしたことを「少し後悔している」とのこと。
JDサリンジャーが、ライ麦畑を独立した一個の作品として扱って欲しいと願っているらしいことは、村上春樹氏の新訳に解説や後書きの類が載らなかったことでも自明だ。私自身、マンハッタンの街並や、当時のステータスを示すブランド名くらいは、作品理解のために知っておきたいとは思うが、それ以上でも以下でもない。
ーーにもかかわらず、「ホールデンが落としたレコードは何故粉々に割れたか」という、目次の一節は、私にとって殺し文句だった。私はてっきり、金額とか回数とかの数字を度々桁外れに多く表現するHolden独特!のレトリックの一つくらいに思っていたから、そんなものに問題提起があってしかも、はっきりした回答が添えられていることがとても新鮮だ。
「ライ麦畑」小辞典はいい。「ライ麦畑」が言及されている日米の書物や映画などに詳しく、「正しい読み方」という傲慢なタイトルとは裏腹に、作品に対する態度は誠実で、「ホールデン・コールフィールド協会」なる作者の「ライ麦畑」への愛情・愛着が伝わってきて、いい。ライ麦畑のもとになった歌の原詩をみつけたときにはつい、声に出して歌ってしまった。本書を読んで「ライ麦畑」を原書で読みたくなった。(そして、読んだ)
Just Push Play
2001年、AEROSMITHのアルバムです。
(「Nine Lives」(1997)→ このアルバム →「Honkin' on Bobo」(2001)の流れです)
今回のアルバムの特長は、作曲陣だと思います。
いつものTyler / Perryの2人に、Marti Frederiksen, Mark Hudsonが加わっています。
特に、Marti Frederiksenが、多くの曲に関わっています。
結果は、他のレビューにもあるように、ミョーに聴きやすい、ポップロックな感じになっています。
緊張感のあるメロから、サビで一気に開放感を出す、tr. 1
ちょっと"Walk This Way"風な、tr. 2
どこかで聴いたような、懐かしい感じのするポップな曲、tr. 3
感動的なバラード、tr. 4
"Cryin'"や"Crazy"を思わせるような、懐かしい雰囲気のバラード、tr. 8
。。。いい曲は、多いです。
私は、1曲1曲は、結構いい曲が並んでいると思います。
ですが、アルバム1枚通して聴くと、
ポップな曲や、バラード系が、あまりにも多くて、AEROファンとしては欲求不満になってしまいます。
サウンドや演奏も、「Nine Lives」のような毒々しさが無くて、残念です。(「☆-1」させてもらいました)
だけど、時間が経つと「あの曲が聴きたい!」となってしまう、捨て難いアルバムという一面も。。。
私は、ときどき、聴きたい曲だけ聴いてます。(1枚通して聴くことは、ほとんど無いです・笑)
「90's AEROSMITHのポップなメロの曲、バラード系が好きな人」向けのアルバムだと思います。
「70's AEROSMITH」「RN'RなAEROSMITH」を求める人には、オススメしません。
(中古盤・激安です)
(参考)
日本盤は、
ボーナストラック「Won't Let You Down」「I Don't Want to Miss a Thing (映画「アルマゲドン」収録曲)」が入っています。