降水確率50%は五分五分か (DOJIN選書 8)
誰もが見る「天気予報」、しかし、そこで言われている言葉の定義がどういう風に定められているか、実は知らない人も多いだろう。
本書は、そうした「天気予報の常識」を教えてくれる。
例えば表題にもなっている「降水確率」の意味、これを自信を持って正しく答えられる人はどれくらいいるだろうか。
他にも「どのくらいからが雨なのか」や「波の高さはどうやって測るのか」などの素朴な疑問に答えてくれている。
天気予報だけでなく、一般的な天気の話も多くて楽しめる。
山での雲の出来方や、花粉の話まで、トピックスは幅広い。
ただ、流行に乗った感じの記述には、耳学問で書いた感じのものも多く、そこは残念であった。
例えば、アメリカのハリケーンが地球温暖化の影響で数が増え、巨大化している(p62〜64)というのはよく聞く話だが、ハリケーンの数が増えて見えるのは海上のハリケーンの観測精度の向上、被害額の増加は物価上昇によるもので、そうした要素を考慮するとハリケーンは過去と同程度の状況である(今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈2〉)
そうした点が散見されたので星一つ減点したが、全体としてはとても面白く読める本である。おススメ