戦場のメリークリスマス [DVD]
始めて見たときは、あのタイトルバックの音楽で一気に引きずり込まれ、今までこんなに泣いたことがないと言うほど泣きまくってエンドロール。この映画がなければ、今の巨匠北野は存在しなかった!
とにかく彼らの共通点は兵士であるということだけだったんですね。
そこに個人の感情は存在しないんです。だから敵国の将のローレンスに対しても、ハラは、憎しみと言うよりある意味尊敬の念を抱いている。でも戦時下ではそんなことに何の意味もない。
それが、セリアズの存在により、かき回されていく。優れた腕と美貌を持った兵士、セリアズ。(ディヴィットが若けりゃ文句は無かったのに!!ここがホモセクシャルだと言われる所以ですが、そんなに簡単な話じゃない!)俘虜収容所の所長のヨノイは、ハラと違って教養もあり、戦争に死に場所を求める生粋の軍人だけど、彼もまた、セリアズに対して尊敬の念を抱く訳です。
でも、『ジャック・セリアズ』とは、じつはただのきっかけにすぎなくて、彼らはお互いの心に感情という『種』を蒔き合うことになる。
例えそれが実を結ばない種であっても、お互いが兵士である前に人間同士であることに気づく瞬間があるわけです。しかし、残酷なことにお互いを理解しあう時間さえも戦争は奪っていくのです。
その、やるせなさ。たけしさんの最後の笑顔がすべてを物語っています。
夢のサウンズ
子供ってコレだって思うと馬鹿みたいにずーっと繰り返してるじゃないですか。
それを大人がやってる感じ。
凄く愚直に音楽に取り組んでいる方々な気がします。
ラスト20分超の大曲がすんなり耳になじむのもその愚直さ、メンバーの人柄がサウンドに表れているが故かなあなんて思ってみたり。
渚にて 人類最後の日 (創元SF文庫)
核兵器による破滅テーマ。もはや人類滅亡を逃れるすべはなく、間近な死に直面した軍人・民間人のさまざまな群像を叙情豊かに描きます。
原潜の自爆、泣く泣く乳児を毒殺する若い夫婦、成就することのない恋愛、…極めて重い内容ですが、だからこそ最後まで読んでほしいと思います。映画でも名優が抜擢され、原作と遜色ない出来に仕上がっています。