世界遺産神々の眠る「熊野」を歩く (集英社新書 ビジュアル版 13V)
著者は宗教人類学者。日本だけでなく、世界の宗教に詳しい人だ。
本書は、特に宗教的な側面を詳説した、写真入りのガイドブックという位置づけの本だと思う。細かく章立てが行われ、興味のあるところから読んでいけばいい。実際の旅に持参して、必要なところを読んで歩くというふうにも使えるだろう。
構成としては、最初に「神仏習合」「石の力」など総合的な解説が置かれ、そのあとは「熊野古道」「一遍上人」「海の熊野へ」「串本、古座を歩く」とテーマ別の紹介となっている。
なかでも巨石が重点的に取り上げられており、あちこちに無数にあるさまには驚かされるほどだ。
ただ、それらへの著者のアプローチや分析、考察にはすっきり納得できないものが多い。もう少しじっくり研究して欲しい。
「集英社新書ヴィジュアル版」であり、鈴木理策氏によるカラー写真がたくさん収められている。新宮の出身で、熊野の写真をずっと手掛けてきた人という。美しく迫力がある。
写真が良いので、おまけで星4つ。
ガイド・ニッポンの世界遺産 熊野古道 中辺路ルート&田辺 (地球の歩き方BOOKS)
このガイドブックは現地の観光協会的な場所にも置いてあり、ここに紹介されている人達に会えるとかなり嬉しい。
※台風の影響により、悲惨な変化をとげてしまった様子ですが一刻も早く復興される事願います。