堕天使のパスポート [DVD]
トルコ不法就労女性と
アフリカ不法入国医師が、
ロンドンから“一刻も、まともにいち早く”出たいと
体を軋ませて働いていくが、、、。
すぐ、映画評論家は“移民問題を扱った云々”←そんな浅い話じゃありません。
どんでん返しに喝采し、観る人さえ、孤独と圧迫から解放された気になります。
場面は汚くなく、惨たらしさは感じられません。
この女優の桁外れ度合いが原体験できました。男優も脇役も凄いです。
BBC出資。凄い雅量です。観る人を圧倒させます。
ロマンス・アット・ショート・ノーティス
今までのカール・バラーの作品とはかなり印象が違います。
なので「がっかりした」と思う人もいるかもしれません。
特にリバティーンズ時代からのファンは。
昔ながらのイメージの曲は先行シングルの4曲目くらいでしょうか。
でも路線は変わってもやっぱり格好良い曲を書きますカールさん。
前作では収録されなかったスローテンポの曲もかなり入っていて緩急があるため、
前作よりも通して聴けるアルバムになっていると思います。
とにかく今までには無かったスケールや曲調が多く、かなりチャレンジした作品ではないでしょうか。
しかもただチャレンジしただけでなくしっかりと良いアルバムです。
やっぱりカールも凄かったんですね。
ちなみにボーナストラックもかなり良いので国内盤おすすめです。
ロン・パリ日記―Dirty Pretty Things
アラーキーによる、ロンドンとパリの写真日記。もちろん、よくある「旅の記録」からは遠く、写真というメディアである以上「記憶」という曖昧さも、そこには無い。ただただ広がっている光景は、「都市」とそこに住む「人々」、たまに「裸体」。おもしろいのが、それらとアラーキーとの距離感。主観も客観も関係なく、カラダにしみこんでくる異国の匂いを写真で表現しているようで、なんだか「旅」をしているアラーキーの横にいるような気分になる。ARTをとっくに超えた、素敵な写真集である。
巻末に用意されている文章日記もまた、文筆家アラーキーの才能を一読できます。ぜひ。
ウォータールー・トゥ・エニウェア
カールの声を聴くと、男の私でもドキドキしてしまいます。甘すぎ!
それは置いといて……、どの曲も、過去に放蕩者として歌った名曲たちのように、「彼」のコーラスや、「彼」へのヴォーカルの引継ぎ、あの宝石のように美しい輝きを放つリレー、を組み込む余地が、残されているように感じられてなりません。
カール自身がどんな意図をもって作曲したかは分かりませんが、その意味では未完成なアルバムと言えます。
カールはきっと待ってます。再結成うんぬんを思ったり、過去の輝かしい日々を振り返ったりとかではなく、単に、となりにいつでも「彼」がいた日々がまた来ることを強く待ち望んでいるんじゃないんでしょうか。
――もう泣くな。これからは俺が兄弟だ。俺はおまえの弟の生まれ変わりだ。
昔、双子の弟を亡くしたカールに「彼」がかけた言葉です。