ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック
「誰もが待ち望んだバラードアルバム」と帯にあるが,iPodに入れて何度聴いても
感動の時は訪れない。
下り坂のHancockは別にしてCharlie Haden,Jack DeJohnetteという逸材を揃えても
肝心のBreckerのソロに覇気が感じられないのでは如何ともしがたい。
ColtraneのBalladと比較するのさえ憚られる。
さらにJames Taylorの参加はアルバムの価値を上げるより,Jazz色を薄めることにしか
寄与していないように思う。
James TaylorではなくJimmy ScottかAndy Beyの名前がクレジットされていれば
Jazzファンも注目したのではないか。
ともあれ残念ながらMichael Breckerは傑作をものするのに失敗したという他ない。
バラード
友人から小曽根真という尊敬するピアニストがいると聞いて、昨年より聞き始めましたが、自分の感性にぴったりと合ったようです。
特にこのバラードがお気に入りです。
彼のピアノの音色が、究極の癒しとなって、仕事で疲れた脳裏に浸透する感じがします。ここに収録されている彼のオリジナルはすべて素晴らしいのですが、特にリボーンは絶品です。
マイケル・ブレッカー
すでにトップテナーの座にあったマイケルの遅すぎるリーダアルバム。リリースされた当時、今更マイケルのリーダーアルバムが出ることは信じられなかった記憶がある。さらに、それまでのブレッカーブラザーズやステップスの経歴から、バリバリのフュージョン・ファンクを期待していた私はちょっと曲調が違うのに戸惑った。
そして最後のボーナストラックのMy One And Only Love の爆発的イントロから始まるソロに「ごめん、僕はジャズなんだ」と微笑むマイケルを見た。(私が勝手にフュージョンシーンプレイヤにカテゴライズしていただけなんですが。)
無論、コルトレーンの My One And〜は聴いたことがあって、マイケル自体コルトレーンフリークであるのも知っていたが、何で今さらになってここに戻る?・・・非常に大きなインパクトを受けたのを覚えている。
その後、亡くなるまでの約20年のマイケルブレッカー路線にとって、本当に原点のアルバム。当時マイケルは34歳くらい。その年で思いきって舵を切ったことに対して、正直「勿体ない」 と思った私の心配はよけいなお世話であった。
さらに私ごとではあるが、マイケルのジャズ回帰とともに自分もジャズを本格的に聴き始めた、そういう面でも革命的な一枚である。
全般にスローバラードが多く、トップの Sea Glass やグロルニック作の Cost Of Living はドラマティック。ライブでよく演奏されるスピーディなSyzygy はテナーの演奏として指折りの出来。テナープレーヤの腕試しエチュードとして格好では?
いずれにしても何度も聞くとさらに良くなってくる一枚ではなかろうか?
Two Blocks from the Edge
1997年12月ニューヨークで録音。パーソナルはマイケル・ブレッカー(ts)、ジョーイ・カルデラッツォ(p)、ジェイムス・ジナス(b)、ジェフ・"テイン"・ワッツ(ds)、ドン・アライアス(perc)。ブレッカーの第5作目のリーダー作。
やはり特筆すべきはブレッカーのレギュラー・グループのメンバーで創り上げた、という点にあると思える。リーダー作でレギュラー・グループのメンバーをそのまま使うということがブレッカーの場合ここまで無かった。これは言ってみれば自らのレギュラー・グループの面子の成長を実感し、その面子とアルバムを残してみたくなった、という事になるだろう。ということもあってブレッカーは他のアルバムでは見られないくらいにのびのびと色々な珍しいアプローチを展開していて興味深い。
曲もボーナス・トラック(米盤は未収録)の『スカイラーク』以外は全てメンバーのオリジナルである。ブレッカーが5曲、カルデラッツォが3曲、ワッツが1曲とほぼメンバーとリーダーが互角の曲供給となっている。このあたりも見逃せない。
ジャズ・ホーン/マイケル・ブレッカー特集号ジャズ、ロック、ファンク-すべての音楽ファンのための
某誌と違い、古くからマイケル・ブレッカーに注目し、日本のジャズファンに紹介してきたジャズライフ誌。 それゆえ、『特集号』と聞いてかなり期待してました。が、マイケル・ブレッカー以外の記事も多く、内容もあまり濃くなかったのが残念。 インタビュー記事の再掲載もあったけど、いっそのこと全てのインタビューを掲載してほしかった。 ピーター・アースキンのコメントには涙しました…