岩波 理化学辞典 第5版
専門用語の説明に、別の専門用語を使用するということは避けられない。しかし、本CD-ROMの場合、説明文の中で用いられている専門用語のうち、この事典に収録されているものは、リンクにより一発でジャンプできるようになっている。これは、書籍版にはない便利な点で、大幅に検索の労力が軽減される。また、欧州語からの検索も可能であり、英、仏、独のほか、本事典に収録されている用語すべてではないが、ロシア語からの逆検索も可能になっている。書籍版の用語の説明文の中で用いられている数式や化学式、図表関係は、もらさず図版で収録されている。さらに、EPWING規格に準拠しているため、同規格の広辞苑や新英和中辞典などと同じ検索ソフトで併用することができる。
惑星地質学
この本はもともと東大博物館で開かれていた「異星の踏査」展の図録として作られたものでしたが、展示会期間中の図録完売品切れという驚異的な売れ行きをうけ、このたび東京大学出版会から「惑星地質学」と名前を改め販売が開始されたものです。
実は私自身も惑星科学を研究している者なのですが、この本は我々研究者の目から見ても驚くほどクオリティが高く、現在日本語で読める惑星科学の教科書としては、文句なしに最高クラスの一冊だと思います。太陽系の惑星について一通り学ぶのに最適です。
これほど素晴らしい本は、そうそう手に入るものではありません。惑星科学に興味のある方はぜひご購入されることをおすすめします。
「異星の踏査」展で図録を買いそびれた方も、今度こそはしっかり手に入れておきましょう。
地質学〈2〉地層の解読
第1巻で地球の成り立ちを示してくれたが、本書ではいよいよ地層の形成とその変化のメカニズムについて知ることができる。
冒頭の砂丘の成り立ちと風紋のできる仕組みの解説では、フィールドワークと物理学、流体力学の組み合わせで直感のまちがいを論理的に指摘してあり、読んでいて明快で気持ちが良い。地形の形成が流体としての振る舞いで解明できることや、地層内での物理的な応力の解析、変性に伴う水の移動を化学的変化として分析するなど、門外漢からは単なる時間の経過だけが重要な要素と取られがちな本分野が、総合的な科学として見ることが出来て新鮮な刺激だった。
プレートの移動、長期間にわたる変形や熱による変性、さらに上層に降下する堆積物、これらの織りなす地層を解読して解きほぐしていく作業は非常に手間がかかることだろう。さらにそれを古文書からの事実調査や地球上の各地点での観察と照合し確認することで、地球の成り立ちとして再構成していくことは、学者から学者へのこれも悠久の営みだと言えるだろう。
第3巻「地球の歴史」でついに地球の全体像の変遷が語られるかと思うと、待ち遠しくてならない。
地質学〈1〉地球のダイナミックス
楽しい本である。網羅的に記述されている内容は平易で読みやすく、各章末の問題や文献の案内も充実していて、初心者や体系的に学びたい読者にぴったりである。特に文献紹介は一般的な新書本から論文までがピックアップされていて簡単なコメントもついているので、著者のねらいである独習者には非常に役立つ。
全三巻の「地質学」教科書の第一巻となる本書では、地球という惑星の成り立ち、他の惑星との比較から始まって、地球の内部構造、プレートテクトニクスの解説などが続く。このあたりは個々の知識はあったものの時系列でまとめて読み直すことで非常に納得がいく。
後半は水、エネルギー、元素、そして生命の循環という内容で、物質の転換・循環による生きている地球の仕組みを知ることが出来る。化学式の登場回数が多いが、図も適度に掲載されているので、反応自体にとらわれずに原因と結果を追っていけば中高生でも理解できると思う。
著者曰く、このような「広範囲な内容を一人で執筆するのは、ほとんど暴挙といってよい」ということだが、第二巻は三年半後に無事上梓された。第三巻が待たれる。
趣味の鉱石トレジャーハンター―鉱石採集探険記
母親の私にはよくわからない鉱石の世界。石を発掘したいという息子のために購入しましたが、息子は鉱石好きの友達と毎日読んでいました。小学校高学年でも読みやすいようです。ちなみに私は読んでいないので、評価(星の数)は息子に聞きました。東北に住んでいるので、載っているのが、関東方面が多いため、詳しく地図を書いてあってもなかなかいけないのが事実。なので、購入希望で関東方面の方はぜひともお勧めだと思います。地元の鉱石採りもしていますが、かなり山奥が多いので、知っているところでないと遭難しそうで怖いですもんね〜。