ジョーカー清 (講談社文庫)
「宝島社 このミステリーがおもしろい」 1998年度 第35位
JDCシリーズ四大事件の2つ目「幻影城殺人事件」の前編。
本書も『コズミック 流』と同様に殺人事件が次々と発生します。
しかし、『コズミック 流』が密室殺人の箇条書というような感じであるのに対して、本書は物語の中で連続殺人が展開されます。
そのため、やっと物語らしい物語を読むことができたと私は安心しました(笑)。
読み進めるうちに推理作家達やJDCの探偵達キャラクターの個性が段々と際立ってきます。
『ジョーカー 涼』・『コズミック 水』にも影響してくるので、本書に出てくるキャラクターの個性をしっかりと把握するためにもじっくりと読まれることをお勧めします。
また、『コズミック 流』から本書へ進むと、私は一気に読むスピードが速くなりました。
箇条書の苦痛から解放され、先が気になって仕方なくなること請け合いです。
因みに、『コズミック 流』・『ジョーカー 涼』・『コズミック 水』にもレビューを記載させていただこうと思っています。
参考にしていただけると幸いです。
ソレデハ…
清涼院流水の小説作法
小説のノウハウや心構えが多数。
それだけでもちろん良い勉強となりました。
本書で、しかし、ファンにとって大事なのは、
著者の昔話や自作への評価などが書いてあること
なのではないか、という印象を受けました。
技法、精神が知りたい方だけでなく、
著者のことをもっと知りたい方にもおすすめです。
僕はより好きになった気がします。
カーニバル 五輪の書 (講談社文庫)
5巻までの長い道のりでしたが、
終わるとなんかもったいなくって
この前まで読まないままになっていました。
ノベルズ版との差はそう大きくないですが
「流水大説」たる巻末付録は一読の価値ありです。
いまだに十九が死んだことに違和感を覚えてしまっているので
(↑そういう人って多いですよね?)
そのままの設定になっているのは残念。
本文じゃなくっても、巻末ででもちょっと触れて欲しかったです。
コミックスでは活躍中なのに~!
キング・イン・ザ・ミラー
文字が大きくてものすごく読みやすい!
難しい言葉も一切なし。あっという間に読めてしまいます。
その中でMJの、いや成功者が必ず通る絶頂と墜落を、まるで自分の人生に起こっているかのように体感できます。
伝記でありながら小説。
そのスタイルが最大限に生かされた作品です。
MJについてインターネットで検索すれば、本書で述べられているより詳しいことが簡単にわかるかもしれません。
しかし、単に事実を知るだけでなく、キング・オブ・ポップがなにを考えどう生きたのか?
それを体験できるのは、本書だけでしょう。
言うまでもなく、マイケル・ジャクソンの入門としても最適な一冊です。
hon-nin vol.03
とわずがたりがこんなにも濃かった麻生久美子さん、そのhon-ninが引き出されているのは、吉田豪さんの手腕によるものでしょう。
新たに連載のはじまった「青春小説」銀杏の峯田さん(なぜか青春時代を回顧する男子小説は、クドカン氏然り、峯田氏然り、東北のご出身)、探偵と作家の両立なんてかっこよすぎる、でも本当なのかしら、とステキに想像してしまう古田日出男さんのハンサムな世界、「サブカルチャーの波が来たとき、たまたまのることができた」などと謙遜してみせながらも、実は非常にクールにお笑いも映画も俳優との距離も語ってみせる、たけしさんの「今」と、懐かしい賑やかさを思い出させる「オールナイトニッポン傑作選」。
本当はよみよま(モヨ子さん)、なめ子さん、ホンタニちゃん(連載一回延びました)、「自己誇示欲」という新たな境地で自己解体してみせるうさぎさんなど、女性陣に圧倒される毎号なのですが、今回ばかりは男性陣のhon-ninっぷりにやられました。