暗黒街の弾痕/死刑執行人もまた死す《完全版》 [DVD]
暗黒街の弾痕はジェットコースタームービーです。同時代のボニーとクライドを想わせるエピソードもありでも展開速過ぎて疲れますシーンシーンは佳いだけに勿体ないです。で執行人は名作画質は向上しているといいのですが。
死刑執行人もまた死す(トールケース仕様) [DVD]
1943年という制作年次を考えれば偉大な映画といえます。ただ、画質もよくなく、旧い映画なのでもっと安く観たい。テンポはのんびりですけれど、息苦しいような緊張感があります。さすが「M」のラング。ラングファン、ナチスものファンなら必見です。
教授役のブレナンはまさに怪演。「脱出」、「荒野の決闘」、「赤い河」、「リオブラボー」のブレナンとはとて思えません。
死刑執行人もまた死す[完全版] [DVD]
ナチ占領下のプラハで、「死刑執行人」と呼ばれるナチ高官が暗殺される。
ナチは報復として、犯人が名乗り出るまで市民を処刑するという暴挙に
出るが…。
時の宣伝相ゲッペルスに映画部門責任者への就任依頼を受け、アメリカ
へと亡命した経緯を持つラング(彼自身はユダヤ人)による、悪夢的ムー
ドで描かれる反ナチ・サスペンスの傑作。名手ジェームズ・ウォン・ハ
ウによる光と陰のコントラストの強い撮影が、プラハの町並みを出口の
ない迷路のような印象にしている。加えて、ラングの畳み掛けるような
サスペンス演出と生々しい暴力描写がより不安感を煽る。
映画史的には、アメリカに亡命中だった劇作家ブレヒトの原案・脚本で
あることも有名で、「Aに話せば、やがてB、Cに伝わり、最!後!にはG(ゲ
シュタポ)にたどり着く」というウォルター・ブレナンの名セリフは、彼
のアイデアによるものだそうだ。
キャスティングも相当異色で、小悪党的な役が多かったブライアン・ド
ンレヴィを主役に、気のいい人物役のジーン・ロックハートを悪役に据
えたあたりは、ラングの意欲のあらわれといえる。
本DVDは、かつて劇場公開され、その後ヴィデオ・LDで発売された120分
版より約20分も長い完全版。それ自体で、大変意味のあるDVDなのだが、
残念ながら画質があまりよくない。99年、東京の三百人劇場で行われた
「フリッツ・ラング映画祭」での上映プリントをそのまま使っているせい
だろう。
フリッツ・ラング傑作選 死刑執行人もまた死す [DVD]
ナチに侵略されたチェコスロバキア・プラハの人々の苦悩と困難、地下活動、愛国心、ゲシュタポに対する怒り、自由と平和を求めるための高潔な魂と闘いを描いた作品。
総督を狙撃した男(B・ドンレヴィ「ボー・ジェスト」etc)を、偶然かばった若い女性・マーシャと父親(渋い名脇役、W・ブレナン「群集」etc)達が巻き込まれていくストーリー。
長尺でも、息もつかせぬ展開でぐんぐん引き込まれた。
ゲシュタポの執拗な取調べや卑劣で残忍なやり口が醜悪極まりない。
ナチに抵抗する地下組織内の卑怯な裏切り者と、祖国を愛し「密告者」にならずに命がけで高潔な魂を持ち続ける人々との対比、狙撃犯と目撃者マーシャ、マーシャの恋人の心の揺れ、家族の絆なども同時に描かれ、人間ドラマしてすごく見ごたえがあった。
サスペンスフルな展開、影の使い方などラストシーンに至るまで、あらゆる部分で感嘆した映画。
映画の締めくくりの言葉に、ナチとドイツを嫌って亡命したF・ラング監督の深い想いがこめられているような気がした。
日本では1987年まで未公開作品だったとのこと。