No Dice
70年発表、アイビーズから数えて3作目となるアルバム。彼らの代表作であると共に、ミニ・ビートルズ的なイメージから脱却して後のパワー・ポップの先導的な役割を果たし、かつ優れたソングライティングを発揮した名作アルバム。全米8位の5.やニルソンのカヴァーによって全米一位になった6.を含めて名曲が目白押し。ピートが導入部を作り、トムが作った中間部を合体させて完成させた後者は、各々が作ったパートのヴォーカルを受け持ち、ニルソンのバージョンと比べると遥かに痛々しく、それが背筋をゾクっとさせるほどの感動を与えてくれる。彼らはこの曲をライヴで一度もやらなかったことは有名で、ニルソンによるヒットが影響を与えていることは明白なんだけど、この意地のようなものが、彼らを今一つメジャーに出来なかった理由であり、後の悲劇を生んだのでは?と残念に思う。もちろん職人気質の極みとして評価も出来るのだけれども。何にしても、例えそんな背景がなかったとしても・・・この曲で心を動かされない人なんていないでしょう。バッドフィンガーなら、まずこれを聞くべき。
Very Best of Badfinger
70年代のブリティッシュロックでは外せないバンドです。主要メンバー二人が自殺で他界し、悲劇的な末路でしたが、
後にトリビュート・アルバムもリリースされるほどメロディメーカーとしての存在は大いに評価されるべき。
レコード会社などのバックアップがあれば、ビッグネームになり得たはず。
Without Youだけで語るのは惜しい!
Badfinger
感傷的な1.でしっかりと心を掴みながら、開放的な2.で思いっきりブチのめしてくれる、名曲揃いのワーナー移籍第一弾。個人的にはバッドフィガーで一番の愛聴盤です。73年末にはアップル最後になる「ASS」を発表し、翌74年はワーナーへ移籍して本作と「WISH YOU WERE HERE」と2枚のアルバム発表と、最も精力的な活動を行なっていた時期の作品で、おまけにタイトルはグループ名そのものの「BADFINGER」(国内盤は「涙の旅路」)。自信が強く感じられます。実際にもベスト・オブ・バット・フィンガーというオフィシャル編集盤には1.2.4.10.11.の5曲が収録されるほどの作品です。エレピがいい味を出している一押し8.はメロウでありながらちょっぴり寂し気なバットフィンガーらしい佳曲。捨て曲無しの名盤です。