Germs Make Me Sick! (Let's-Read-and-Find-Out Science 2)
ばい菌に関するお話が面白いイラストとともに進んでいきます。
ばい菌の種類,感染経路,体の防御作用(白血球や抗体などについて),ばい菌の種類による発病の仕方,対処方法,そして最後には健康維持のための8カ条もあります。
本文以外のイラストにもちょこまか説明書きや台詞があり,より理解が深まったり,クスっと笑えたりします。
Let's-Read-and-Find-Out Scienceシリーズのレベル2は小学生向けとなっていますが,読み聞かせるなら幼稚園位でも大丈夫だと思います。
我が家では体の仕組みに興味のある5歳の子が興味津々で眺めています。病気になった時や,うがいや手洗いの必要性を説明したい時にこの本を利用するとより効果があるかもしれません。
シリーズの他の本も徐々に揃えたいですね。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎
本書は世界各地の歴史一万年以上について扱う本なので、当然あらゆる研究を著者一人がやったわけではありません。したがいまして、著者がどんな論拠でものを言っているのかがとても重要になります。原著ではもちろん、Further readings として参考文献をちゃんと挙げ、疑問点やもっと詳しく知りたい人のために便宜をはかっていました。
ところが邦訳の単行本では、その部分がばっさりカッとされており、心ある読者は激怒して、それを勝手に訳出したりもしました。その後、草思社もあわててウェブにそれを掲載したりしていましたが、本としての価値は大きく下がっていたと言わざるをえません。
この文庫本では、ありがたいことに参考文献をちゃんと巻末に載せており、本としての価値は単行本をずっと上回っています。単行本を持っている人も、こちらを改めて買って損はしないでしょう。惜しむらくは、原著2005年版から追加された、日本人の起原にかんする章と2003年版エピローグについて、訳出されていないばかりか言及すらないことです。それで本筋が大きく変わるわけではありませんが、もう少し配慮があってもよかったとは思います。ご興味のある向きは以下を参照:
「・・・」