クリプトプシー
カナダのデス・メタル・バンドの重鎮、CRYPTOPSYの新作。
ここ数作、テクニカルな路線やメタルコア方面の路線に踏み入れてみたりと、良く言えばバンドの音楽的野心の強さが際立っていたように思えるが、
初期の『凶暴なCRYPTOPSY』を望むファンからはその求められる音楽性から隔たりが生まれていたことだと思う。
しかし原点回帰を意識したという自らのバンド名を冠したこのアルバムは、ヴァイオレントでブルータルなデス・メタルでありながらも
デス・メタル的なおどろおどろしさや凶々しさ以上に知性を感じさせる内容で、
しかしその中で必要以上の難解さを排したサウンドは激烈でありながらも聴きやすい、素晴らしいアルバムに仕上がった。
トータルとしての印象は3rdアルバム"Whisper Supremacy"に近いかもしれない。
刺激的な音楽に興味のある方に是非ともオススメしたいアルバム。
ザ・ベスト・オブ・アス・ブリード
CRYPTOPSYの未発表曲入りベストアルバム。
収録曲に関しては各アルバムの代表曲からまんべんなく入ってます。
<ディスク1>
新曲3曲+スタジオ3〜6thの曲を収録
<ディスク2>
1〜2ndの曲+None so liveから数曲+5thボーナス収録のlive2曲+リハーサルバージョン数曲
といった内容。
ディスク1に収録されている未発表の3曲は先日発売された最新作『CRYPTOPSY』路線の直球系の非常にアグレッシブな良曲です。
その他ディクス2に収録されているライブ曲は『None so live』や他のアルバムに収録されているボーナストラックからの抜粋です。
またリハーサルバージョンは、私は初めて聴いたので新鮮ではありましたが、音が劣悪なため非常に残念でした。
以上のような内容のため大概のベストアルバムがそうであるように、コアなファンまたはCRYPTOPSY入門向けといった感じです。
ファンからすれば新曲有りだし、今までの代表曲がSHM-CDで聴けるので買って損はないかと思いました。
だたせっかく会心作のニューアルバムを出したのですから、ベストアルバムの発売を少し遅らせ、最新作からも数曲収録してほしかったかなぁと思いました。
☆7の評価ですが、『CRYPTOPSY』からの曲がない、リハーサルバージョンの音が劣悪な点でそれぞれ☆1つずつ減点の☆5とします(^^)/