ライヴ・イン・バッファロー 1982.05.03
奇跡のオリジナル・メンバーでの来日公演を記念して数種類のオフィシャル・ブートレッグが発売された。
オリジナル・メンバー時代の音源3種ののうち、いや、現在公式発売されている音源のうち、サウンドボードなのはこの作品だけ。その意味での希少価値はある。
ただ、曲によってはイントロやアウトロが切れてしまっている、既に数年前に国内発売された事があり今回発掘されたわけではない、「偽りの微笑み」などがカットされていて完全版ではない、収録時間が80分弱しかないにもかかわらず2枚組である、などの条件を考慮して星は4つとした。
演奏は、勢いがあるともいえるし、粗いともいえるが、あの眩しいほどの成功を掴んでいた時機の記録として感慨深い。
私としては、今回の一連のエイジアのライブ盤では、この作品だけ持っていれば十分だと思う。くれぐれもオーディエンス録音の粗悪盤で金を捨てないようにしてただきたい。
キース・エマーソン・バンド・フィーチャリング・マーク・ボニーラ
この作品、編曲こそ現代的になっているが、ELP時代の響きが色濃い。
多くの短い曲から、作品は成り立っているのかと思えば、曲間には切れ目が無く、全体で、一つの作品を成す。
つまり、70年代を中心とした、懐かしの、往年のプログレの再燃という印象だ。
近年には、この傾向の作品は、まず見当たらない。
イエスは、キーボ−ドレスとなり、オーケストラと組んで、新たな方向性を目指し、
キングクリムゾンは、メンバーを一新し、かつてとは、全く異なる世界を展開している。
反して、この作品は、「かつて」なのだ。
作品の中で、ELP時代と似たフレーズや、バロック調のオルガンの調べ、
クラシック調の多彩な音色のシンセの音、キース独特の、ジャズ調のピアノ魂、
を、たっぷりと堪能出来る。
短い歌の部分は、何故か、主に8分の6拍子、または4分の3拍子で、ピンクフロイドを、彷彿とさせる。
この作品は、近年に制作されたものの、1970年頃にタイムスリップしたという感覚だ。
オールドファンには懐かしく、若い方にも、強い刺激になると思う。
キースに拍手を!
Emerson Lake & Palmer
若干傾向が違います。というのも次作「Tarkus」以降、ハモンドとシンセによるハードロックといった感じのバンドになっていくELPですが、このアルバムでは各メンバーの前身バンドであるナイス、クリムゾン等の影響が感じられます。
個人的にELPのNo.1曲であるTake a Peddleのような作風は次作以降には見られなくなります。しかし、BarbarianやKnife Edgeなどは次作以降の作品のモチーフとなっていますし、Lucky Manはレイクの弾き語り曲の定番となっていきます。
次作以降あまりに有名作が多いため、ついつい忘れられがちな本作ですが、キングクリムゾンを好きな人や次作以降の有名作を全て聴き終えてしまった人は是非とも本作を聴いてみて下さい。
ハイ・ヴォルテージ・フェスティヴァル 2010 【Blu-ray/日本語字幕付】
自分にとっては本当に神様のような存在です。
中学のとき初めて聴いたELPは、音楽性の高さのみならずその
演奏力とパフォーマンスに唖然とするばかり。
いまでもクルマに乗ると永遠の謎を聴いたり恐怖の頭脳改革を聴いたりしています。
この盤に収められてる演奏は、おそらくコアなファンを失望させるにたるものですが、
ところどころにその全盛期の片鱗が垣間見えるところに涙を浮かべてしまいます。
キースの後ろに鎮座するのはMOOGIIIでしょうか。
それ以外の機材は変わったようですがマルチキーボードに囲まれるキースはほんとにすばらしい。
演奏も数曲目からだんだんと乗ってきます。
石を取れからフロムザビギニングのあたりになるとカールのリズム体もそれなりに。
グレッグレイクのボーカルもなんとか聴けて来ます。
突如始まるタルカスのピアノソロに目を見張ります。
作曲家としてのキースは、もっと評価されてしかるべきと
頭をよぎります。
もちろん全体に切れがないのは否めませんが、
自分としてはこれを聞いた後悔はみじんもありません。
願わくば、70年代の演奏がどんどん発掘されて世に出てくることを
切に希望します。(トリロジーってライブでやったことあるのかしら?)
とりとめない文章でごめんなさい。
Brain Salad Surgery
このアルバムも例によって、まだ聴いたことのない人がこれを読んでる可能性は低そうですが、最近はドリームシアターからキンクリやELPに戻ってくる若い人も多いようですから、そういう方には、これはもう、歴史的名盤ですので聴かなければいけません、と大推薦。
プログレの名盤を5枚選べと言われれば必ず入る超名盤です。ギーガーのジャケットも含めてELPの最高傑作。どの曲もいいですが、やはり最後の曲(といっても半分以上を占めますが)邦題・「悪の経典」ですね。この後いったいどうするんだろうと思わせるぐらい、ELPのもてるものをすべて詰めこんだ不朽の名曲であります。クラシックファンもこれだけは知ってるちゅうぐらいのもんであります。