軽蔑 ディレクターズ・カット ブルーレイ [Blu-ray]
新宿のバーでポールダンスを踊る女と、そこを縄張りにしているヤクザの子分の男。
そんなふたりが恋に落ちて逃避行する・・・・のだが、着いたところは男の新宮市の実家。
小林薫演じる父親はまずまずの成功者らしく、当然ふたりの恋愛には反対する。
この時点で「逃亡劇」ではないことがわかる。
鑑賞前はヤクザに追われてダイナミックに逃げ回る「ニューシネマ」のようなふたりを
予想していたのだが、現実はもっと生活感があるものだった(笑)。
高良健吾は「蛇とピアス」とか本作のような眼光鋭い「ワル」から、引き籠りの「お兄ちゃんのハナビ」
「白夜行」まで幅広く演じられる俳優だ。どちらに振れてもしっかりと溶け込めるのが強みだろう。
今回も行き場のない感情を上手く表現していた。
鈴木杏も「花とアリス」から比べるとビックリするくらいの挑戦だったが、頑張っていたとは思う。
ただし、ポールダンスはソロで演じさせた方が良かったかもしれない。両端の外国人ダンサ−のほうが
背も高くてキマっていたからね(笑)。
一糸纏わず、というシーンもメイキングで「全く気にならなかった」と語る通り、十分に色っぽかった。
大森南朋も凄みのある「ワル」を演じ、緑摩子も久し振りにその存在感を見せつけた。
ゆえに本作最大の課題は「脚本」にあるだろう。
原作は未読だが、高跳びというくらいなら実家に帰らなくても・・・と思ったり、またいきなり
新宮市で闇賭博が横行していたり、最後は放火されたりと、何だかヘンテコなのである。
また新宿の親分衆も借金を置いて逃げた男を追いもしないし、それからお互い他の男女と関係を
持つ(浮気)のに、その後映画的進展がない「放りっぱなし」状態。
せっかく熱演した蒼井そらも中途半端に終わってしまった。
映像力はさすがHDであり、クリアにまとめた質感は見事だ。これを観てしまうと、DVDには
戻れないなあ・・・(笑)。
特典映像はDVDで、メイキングと舞台挨拶などが収録されている。
恐らく撮っている最中は「傑作になる」感じがしたのだろうが、最終的に破たんしてしまったのでは。
星は鈴木杏の頑張りに3つです。
まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]
東京のはずれにある“まほろ市”で便利屋を営む真面目な青年・多田とふらりと現れた同級生・行天が、奇妙な共同生活を送りながら様々な依頼をこなす中で、自らの苦い過去と向き合い再生していく姿をユーモアを織り交ぜ綴る。
東京のはずれ、まほろ駅前で便利屋を営むしっかり者の青年、多田啓介。ある日、中学時代の同級生、行天春彦と出会う。見るからに風来坊然とした行天は、いきなり“今晩泊めてくれ”と言い出す。一晩だけと渋々了承した多田だったが、結局そのまま居座られ、奇妙な共同生活が始まってしまう。そんな2人は、まほろに暮らすひとクセもふたクセもある依頼者たちを相手に、飼い主の居なくなったチワワの引受先探しや、生意気な小学生の塾の送迎といった仕事を淡々とこなしていくが…。
あまり日本の映画を見ない僕ですが、なかなか面白いのではと思いました。昼間からワインを飲んで見たというのもありますが、松田龍平と瑛太との掛け合いが非常に気持ちいい。大親友ではないが全く他人ではないという中学生の同級生の空間が見ていてなんか心地いい。
依頼は日常生活では全く出会うことがないようなエピソードや明らかに怪しいものなどいっぱいだがこなしていく中で明らかになっていく2人の過去がまた切ない。
また本上まなみも役柄にぴったりとはまっているし、松尾スズキなどベテランが脇を固めているので見ていて安心する。なんか気持ちがよかった。
イージーリスニング・ピアノ・クラシック ブラームス
土曜日の夜、何気にテレビを見ていて流れてきたブラームス。
唯川恵の原作は読んだことがあって、その時は何とも思わなかったのだけど、
切ない映像にぴったり合ってたOp.117の間奏曲たち。
以前買ったこのCDを出してもういちど聴いてしまいました。
このCDは、ジャケットはちょっとイマイチなのだけど
ブラームスの渋い世界にはまるにはちょうどいいボリュームです。
Shy Girls
一般的にはたぶんほとんど注目を浴びなかった本作ですが、このEDは楽しいです。
女の子の溌剌とした感じが伝わる歌詞、はねるようなリズム、声優さん達が交互で
歌っていく楽しさ。声音が違うのでそれもまたかわいい。
楽しいガールズ・ポップとして評者のヘヴィー・ローテとなっています。
溌剌としたガールズ・ポップがお好きな方にはお勧めです。
たとえ世界が終わっても CYCLE SOUL APARTMENT スペシャル・エディション [DVD]
きっかけは大森南朋さんが出演してるの一点につきます。でもメイキングやインタビューを見て、この監督さんの人柄の良さに思わぬオマケを頂いた気分。この方ならではの優しいファンタジーです。日常生活のなかで大小の差はあっても苦悩の迷路にはまった時、思い出したい作品です。イチオシ南朋さんはとても楽しそうに、参加してまぁす!ご機嫌でぇす的な様子に見えます。日頃仲間内で過ごしてる彼はこんな感じかな?芦名星さんもとても真摯で美しい。安田さんも素朴な好青年そのものです。ちょっと疲れてしまった時に、元気にしてくれる優しい優しいお話でした。