「これが青春だ」ミュージック・ファイル
なつかしの青春譜。「浜辺を走る。太陽に向かって走る。」を馬鹿にしてはいけません。もしあなたが、昭和20年~30年代に生まれた方なら一度は聞いたことのある曲にどこかしら郷愁ではなく、“心が熱くなる自分”に気付きませんか?少なくとも私は忘れていたものを思い出します。歌詞を大事に聴いてみませんか?
飛び出せ!青春~TV青春ドラマ★グレイテスト・ヒッツ~
1~10は、70年代青春ドラマの金字塔「飛び出せ!青春」の放映中(72年11月)に発売された同名のアルバムのCD化。激レア、という以前に、存在そのものがほとんど知られていないアルバムではあるが、番組のメインライターである鎌田敏夫氏が構成・脚本を担当した、名場面の再現などによるミニドラマ―個人的には、ビギン=河野先生と森下(青木英美)との、しみじみとしたかけあいの部分がお気に入り―と、ほぼ全曲を故・いずみたく氏が作曲し(10曲中6曲の編曲を、いまやラテン・フュージョン界の大御所である松岡直也氏が担当)、河野先生や、サッカー部を中心とした生徒たちがうたう歌―マネージャー・畑野(降旗文子)、そして木次(沖正夫。のちの森川正太)のソロ曲あり―のパートとによって構成されている。全体に手作りの温かみのようなものが感じられて、聴いていると、あわただしい日々の暮らしの中で忘れかけていた何かを思い出させてくれるような、とてもいいアルバムだと思う(なお、ライナーには、このアルバムのオリジナル・ジャケットも載っており、お好みでそちらを表側にしてCDケースに入れておくこともできる)。
ただ、11以降は、このアルバムの後のボーナス・トラック的位置にあるようで、そのせいか選曲がやや弱い気がする。目下、「青春とはなんだ」から「飛び出せ!青春」「おこれ!男だ」までを網羅した『(青春ドラマシリーズ ソングブック)これが青春だ』が入手困難な状況にあるだけに、もうちょっとだけでいいから、がんばってみてほしかった。とりわけ、「飛び出せ!」のエンディングでよく流れていた、青い三角定規による「青春の旅」が収められなかったのは、かえすがえすも残念というほかない。
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やっぱり青春!TVヒッツ・コレクション
かつてテイチク=クロニクル・レーベルから出ていた一連のテレビ・オムニバスから、かなりアバウトな感じでまとめたアルバム。初登場曲もあり、中でも中村雅俊の楽曲がテイチクのCDに収められるのは、これが初めてかもしれない。
1曲めがいきなり「太陽がくれた季節」というのは、『飛び出せ!青春』フリークのオレとしてはうれしい限りで、その後もオリジナル音源によるうれしい曲の数々がいくつか続くのだが、なんかこう、ずっと聴いて行くと「やっぱり青春!」というアルバムのタイトルにいささか違和感を覚えるラインナップではある。『キイハンター』とか『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』あたりは、ちょっと“青春”って感じじゃないし。
ものすごく好意的にとるなら、このアルバムは「テレビが“青春”だった頃の曲たち」を集めたものなんだ、ということもできるのかもしれない。それにしたって、なんで出たのか謎だ。「コレは入ってるけど、アレが入ってない」みたいな部分も多々あり、ポチろうとするにあたっての“決め手”に欠ける内容なんじゃないだろうか。
一部の楽曲についてメモしておくと、「金メダルへのターン!」は番組前期に使用された佐々木早苗版。「おくさまは18歳」はオリジナル版だが、「ママはライバル」はいわゆる“テレビで流れてるのと違うやつ”(佐々木真智子版)。「青春はどこに」は、村野武範が歌う『飛び出せ!青春』挿入歌のひとつ。「切手のないおくりもの」はジム・ロック・シンガーズ版。ラスト3曲はすべてトランザムで、「あゝ青春」は歌入り(これがインストだったら、それだけでこのアルバムを買う人がかなりいそうだが)、「俺たちの旅」はインスト。
それにしてもクロニクル・レーベルって、新しいリリースもないまま自然消滅なのかな(今回のこのアルバムは、クロニクルではなくテイチクからのリリース)。
もしそうなら、淋しいなぁ……。