ザ・ファイター コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
主役はミッキー・ウォードを演じるマーク・ウォールバーグですが、助演のクリスチャン・ベール共にいずれもが主演となる作品だと思います。
どちらかといえば、ディッキーを演じるクリスチャン・ベールの過去の栄誉にすがり不摂生な生活を送り続けるところから、更正し、弟をチャンピオンへと成長させるプロセスが見せ所となっています。
この映画は、家族愛と恋人が支えあっている姿、それも決して微笑ましいハートフルな姿ではなく、生々しい姿で描写しているところにリアルさが伝わってきています。
家族や恋人が何らかの企みを持っているようにも感じつつも、そうではなく純粋に彼らのヒーローとなるべくチャンピオンへの道を支援しているのです。
それは、単に人生に対するかっこいいグローイングアップのプロセスや成功の道を物語っているのではなく、良きも悪しきもありながらの現実を見つめた生き方のプロセスを再現しようとしたものと思います。
タイトルの”The Fighter”といったリングでの戦いぶりを演じた派手さはあまりなく、比較的地味っぽい仕上がり、リングに上がるまでの葛藤を”Fighter”として表現したものなっているといえます。