文章のみがき方 (岩波新書)
文章の書き方と、磨き方。
おくが深い。
書いた後、それをどう磨くかが、
商品としての文章が生まれる。
アマゾンのレビューでも、書き殴ったときは、誤字や脱字が多い。
きちんと磨いてから、黄色い釦を押さなくてはと反省しました。
二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)
この書は小学生にむけて綴られた書ですが、万人にたいする暖かなものです。
わかりやすい言葉、短い文書なので、10分もあれば読めます。
すぐ出来上がった書のように思っていましたが、
実際は「長編小説を書くほどのエネルギーがいりました」(司馬さん談)。
推敲に推敲を重ねたようです。
私が印象にのこったメッセージは、
「 君たちは、いつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。 ― 自分にきびしく、相手にやさしく。という自己を。
そして、すなおでかしこい自己を 」
図説 満鉄―「満洲」の巨人 (ふくろうの本)
以前、旧満州地域の或る大都市の市長が来日した際、その市長が、彼が市長を勤めるその都市は、日本の統治を経験して居るので、対日感情が良いと、(ついうっかり)発言したと言ふ話を聞いた事が有る。面白い話である。この市長は、正直な人だったのだろう。公式には、日本の満州統治を正当化する事など絶対に無い中国の要人が、うっかり、本当の事を口にしてしまったと言ふ処ではないだろうか。この本を読んで、私は、その市長の言葉は、真実に違い無いと確信した。
この本は、1960年生まれの建築学者である西澤泰彦氏が、戦前、日本の満州開発を担った国策会社、満鉄を、主に技術史の視点から分析、叙述した本である。−−満州の現代史に関する、イデオロギー抜きの視点で書かれた、極めて興味深い本である。
戦前、日本が満州で行なった事には、良い事も悪い事も有った。だが、あえて天秤に掛けるなら、良い事の方が、はるかに多かった事を、この本は、静かに物語って居る。
(西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に)
国際協力の現場から―開発にたずさわる若き専門家たち (岩波ジュニア新書)
多くの日本人が国際協力という分野で汗を流している。そんな中で活躍する若手日本人がそれぞれの分野での活動を紹介している。多くは国際機関での活動である。もちろんJICA(国際協力機構)の方なども含まれている。
援助という文脈で国際協力は語られる事が多いが、実はそこに驕りや押し付けが忍んでいることを執筆者達はしっかり認識していて、いかに異文化、異宗教の現場で人間の尊厳を維持させながら活動するかを模索している。一筋縄ではいかない国際貢献というお題目。しかし彼らの前には明日をも見出せない多くの人々がいる。
多くの若い人に読んでもらいたい一冊である。きっと人生観も少し変ると思います。
あえて批判的に書くとすれば、執筆者の多くが女性であること。自分自身もアフリカで多くの優秀な日本人女性が開発の分野で働いている姿を見てきたが、日本男児はどうしたのか?逆に出来ない男性政府関係者を多く見てきた。その辺の内情も書かれているとより親近感が湧くかもしれません。そして開発ゴロなんていう連中にならないためにも。
フクロウからのプロポーズ 彼とともに生きた奇跡の19年
フクロウの本は何冊か読んでいますが、中でもとても楽しくて、一気に読みきりました。
生き物を飼うこと、について、真剣に考えさせられます。すごい真剣に命を預かり
ながら、通常のペットと人との関係を超えた、信頼や愛情をひしひしと感じる、
すばらしい体験を本を通じて擬似的に体感し、思わず大笑いしたり、自分のことのように
悩んだり、涙したり、と、いう感じでした。
フクロウの美しさ、かわいらしさを伝えるばっかりではないので、
ただただ、かわいくて飼いたい人が続出する、なんて誤解をうむ本ではありません。
わたしは、こんなに真剣に種を尊重し、命を大切にできるかしら、と自問しました。
フクロウを好きな人はもっと好きになる。
フクロウを知らない人はフクロウを好きになる。
生き物すべてに、今まで以上に、理解と愛情を!と思えるようになる本ではないかと。
幸せなときがながれる本です。おすすめです。